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地球を公転する天体『月』。その表面は大小様々なクレーターがあるのですが、実はそのクレーターの中に原子サイズレベルの極めて小さいブラックホールの衝突により作られたクレーターが存在する可能性があると主張しているそうです。

この謎の主張をしてるのはそこらのオッサンではなくイリノイ州立大学の物理学の助教授、マット・カプラン氏です。彼は今年3月に発表した論文として、「面白い見積もりがある」という内容で「暗黒物資が実はマイクロブラックホールであるのであれば、これが衝突した痕跡が月に残っているだろう」という趣旨の説明をしています。

難しい話になるのですが、この原子レベルのマイクロブラックホールはビックバン直後に作られ、超高密度の物体が宇宙を移動する過程で宇宙全体に広まり、太陽系にも飛来したはずだとしています。そして、その痕跡が大気というバリアがなく自然による風化があまり発生しない月に残っている可能性があるとのこと。

この暗黒物質がいったい何なのかについては全くよくわかっておらず質量があるもののそれ以外は光も発せず、反射もせず、何の干渉もしない理由がマイクロブラックホールにあった場合、衝突した痕を月で見つけることにより観測できない暗黒物質の謎を解明できると主張しています。


私達が触ったりすることができる観測可能な宇宙の物質は宇宙全体のわずか5%しかなく、重力以外何の干渉もしない未知の暗黒物質は5倍以上の27%あります。そしてそれ以外の謎の暗黒エネルギーは68%ほど占めています。



▼2021年に新たに見つかった月のクレーターの点
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ただ、月のクレーターは上空で観測されている数として約12万個ほどあるあります。その多くが1km以上の観測しやすいものであり、小さいものも含めると少なくとも10倍から100倍ほどあるということになります。

いずれにしても今後、今世紀前半には再度月面に人類が訪れることになっており、月面に人が滞在するなど本格的な研究が行われるようになれば、月探査は人類にとって新たな発見が生まれる場になる可能性があります。

参考