F-3 第6世代

F-2という現在配備している機体の後継機となる戦闘機F-3に関して海外と協力した上での国産を目指すとしているのですが、日本政府は以前から協力の打診があったとされるイギリス側と共同開発することになったと報じられています。

防衛省が航空自衛隊のF2戦闘機の後継機について、英航空防衛機器大手BAEシステムズと日本の三菱重工を主軸とする日英での共同研究開発事業とする方向で調整に入ったことが13日、分かった。複数の政府関係者が明らかにした。5日の日英首脳会談に基づき、年末までに正式合意する。次期戦闘機は米ロッキード・マーチン社から支援を受ける方向で検討されていたが、事実上の方針転換となる。

産経新聞
F-3戦闘機に関しては日本では数年前から既に研究・開発が続けられており、『国際共同開発案』『国内開発案』『既存機の能力向上型の購入案』がありました。結局『国際共同開発案』となり2020年12月にロッキード・マーティン、ボーイング、イギリスのBAEシステムズの3社が挙がったもののここではF-22など世界トップレベルの戦闘機技術があると考えられるロッキード・マーティンが選定されていました。

しかし、今回の記事を読む限りこれが変更となりアメリカ側からの理解を得た上でロッキード・マーティンからの支援は受ける一方で、機体そのものの開発はイギリスのBAEシステムズ、及びそこにイタリアが参加する形で、日・英・伊で開発するという方針になったとしています。

▼イギリスの第6世代戦闘機テンペストのモックアップ
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英・伊と共同開発=テンペストなのか?

イギリスとイタリア、スウェーデンは既にF-22やF-35を超える戦闘機として第6世代戦闘機『テンペスト』の開発を行っています。そのためイギリスが中心になっているこの計画については開発時期や求められる性能など一部似ている部分もあることから参画が呼びかけられていました。

気になるのは日本のF-3がテンペトになるのか、それともテンペストの技術を日本が開発するF-3にもってくるのか、それとも全く別の機体として日・英・伊で作るのかという点です。

記事を読む限り「機体は三菱重工とBAEシステムズが参加し、エンジンは造船重機大手IHIと英ロールスロイスが協力する形で検討」としています。これだけではよくわからないのですが、機体を共同開発するということは少なくとも『日本とイギリスで共通化する』というものであり、仕様が異なる日本型・イギリス型の機体デザインになる可能性があります。

▼日本のF-3
F-3 第6世代

▼イギリスのテンペスト、双方で水平尾翼がなくYの字になっているなど既に近いデザインになっている。ちなみに第6世代機は基本的にこのような機体デザイン。
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その機体デザインのベースがテンペトなのかそれとも日本F-3になるのかという点についてはよく分かりません。ただ、これまで日本側は独自の戦闘機を作りたいということを積極的に主張していたことからテンペストの機体デザインをF-3にするようなことは多分無いと考えられます。つまり内部のハードウェアの共同開発という意味合いが強いと思われます。

いずれにしてもアメリカとの共同開発はF-2での失敗があり、界隈でも相当懸念があったと考えられます。一方でイギリスはかなりオープンで機体の改良なども比較的自由に行えるというメリットが当初から指摘されていたところでした。

テンペストとF-3、これがいったいどこまで共通化していくのか、どのような機体に仕上がるのかは気になるところですが、今年中にも仕様や機体デザインは日本・イギリスから発表があるかもしれません。