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ウクライナ侵攻でロシア軍が使用している様々な兵器。戦車の中を見ても第二次世界大戦時にはなかった様々な電子装置が搭載されているのですが、墜落した兵器を調査した結果、アメリカで製造されたものが多用されていることが明らかになりました。

不時着した攻撃ヘリ Ka-52アリゲーターから、動かなくなった対空ミサイルを発射するパーンツィリ-S1、長距離巡航ミサイルKh-101…などなどロシアが保有する兵器が大量にウクライナ側に投入されているのですが、ウクライナ軍の発表としてこれらロシアの近代兵器には大量に外国製のICチップなどが採用されており、特にアメリカ製を好んで使っている様子がうかがえるとしています。

近代兵器は電子部品の固まりのようなもので、例えばヘリにしてもレーダーや射撃管制装置、本体の制御などの様々なものは電子部品による制御が必要です。当然運用するミサイルについても誘導するようなものにはこれが必須です。

▼不時着したKa-52アリゲーター、ここからも複数の米製チップが発見された
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つまりこの電子部品がなければモノが作れない、修理できないということになります。しかし今回ロシア軍がつかっている兵器からはロシア国内の軍需産業が外国製に強く依存していることが明らかになりました。

例えばウクライナ軍の発表としてBarnaul-Tという防空ミサイルを運用する上で必要な車輌からはIntel、Micrel、Micron Technology、AtmelCorpなどいずれもアメリカメーカー開発した少なくとも8つのICチップが見つかったとしています。

そして攻撃ヘリKa-52アリゲーターからは22個の米国製チップと1個の韓国製チップを発見したとしています。


どのようにロシアに渡ったのか

もちろん今使用されされている兵器は少なくとも今から数年前にロシアに供給されたチップになるのですが、現在アメリカとしては侵攻開始から間もなく2月24日以降にロシアに対して電子部品の輸出が禁止されました。

記事によるとそロシア側としては直接アメリカから購入する必要は無いとしており、特に中国からリサイクル市場など規制の対象になっていないところからの入手もできるとしています。

いずれにしてもロシア側の兵器には外国製の電子部品が多く使用されており今後侵攻が長引けば長引くほど高性能な兵器を修理したり生産することがが難しくなる恐れがあります。つまり、このようなパーツが不要なより安価で運用可能な無誘導兵器による攻撃に変わっていく可能性があります。