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シリアのアサド政権と反体制派との間で長期間に渡る戦闘が行われています。最近、反体制派が「自作した」という新型戦闘車両「シャーム2」が公開しました。なんと25mmの装甲板に覆われ、車内から遠隔操作可能な機関銃も備わっているとのことです。

シリア北西部アレッポ県の反体制派グループ、アンサル属するマフムド・アブド氏が設計したのは自動車のシャーシを基に作られた装甲車です。古代シリア地方の名称にちなんで名づけられた「シャーム2」は設計から建造まで1ヶ月。1両あたり80万円(機銃は除く)だそうです。

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車両は長さ4メートル、幅2メートル。車体は鉄板で覆われ厚さは2.5センチメートル。設計者によると戦車砲や対戦車ミサイルには耐えられないものの、23mm程度の機関砲には耐えることができるとしています。

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最大の特徴は車に取り付けたカメラを使い運転でき、取り付けた7.62mmの機関銃を車両内部から操縦が可能なところだといいます。車両には前方に3つ、後方に1つ、銃に1つのカメラが取り付けられ、車内にある液晶モニターを見ながら車を移動させゲーム機のコントローラーで機銃を操作、発砲することができます。

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シャーム『2』という名称が示しているように、この車両は前モデルの後継車両です。前モデルは運転手に対する防護はあったものの、他の乗員は敵兵の銃撃に無防備だったようです。 シャーム1はすでに実戦配備済みで新開発のシャーム2は近日、アレッポの戦闘に投入される予定とのことです。



この兵器を見た日本人からは、「(第二次世界大戦に使われた)九七式中戦車 チハの前面装甲厚と同じやないか」というものや、“どこかで見たことがあるコントローラー”にツッコミが多くあり、「以前プレ○テ型コントローラで投石機を見た」、「打たれたらコントローラーも振動するのか?」などコメントが寄せられていました。

ちなみに、カダフィーことリビアで発生した反政府運動(2011年リビア騒乱)では、反体制派がカダフィ軍から奪った自走砲や対空機関砲、対戦車砲を車に取り付け戦闘地域で使用されています。

参考:【写真】カダフィ軍から武器を奪い戦う反体制派