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アメリカの民間宇宙関連会社DSi社(Deep Space Industries)は、小惑星の資源を使用し宇宙開発に必要な機器や燃料を宇宙で製造するという未来的な構想を描いています。

Deep Space Industries(DSi)は今月22日、地球近傍小惑星に向けて超小型宇宙船の艦隊を送り込む計画を発表しました。実はこの会社、小惑星で採掘した未加工の物質から貴金属を抽出し、3Dプリンターを使って部品を作るという技術の特許をすでに取得しており、計画では再来年にも初期の計画が実行されようとしています。

DSi社によると、 2015年にFireFlyと名付けた探査用宇宙船を複数機打ち上げ艦隊を編成。FireFlyには「CubeSat」という安価なミニ人工衛星を組み合わせて25kgの機械が搭載されており、採掘に最も適した小惑星に関するデータを収集することができるといいます。続く16年には「DragonFly」という名前のさらに大きな宇宙船を打ち上げたいとしています。
同社によると、FireFlyは地球にデータを送るということ以外できないものの、DragonFlyは地球への帰還が可能で小惑星から採取した最大70kgのサンプルを地球軌道に運ぶことができるとしています。

FireFly
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DragonFly
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DSi社が目指す最終的な目標は、通信衛星や地球軌道に設置する太陽光発電ステーション等を、宇宙で製作できるようにするというもの。つまり、小惑星で採掘した貴金属を原料に3Dプリンターを使って様々な物を作ることを目標にしています。

アメリカにはDSi社以外にもPlanetary Resources社が2012年4月に小惑星から資源を採掘する計画を発表しており、NASAにおける今後の有人飛行の計画にも小惑星が入っています。

HARVESTOR
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ファルコン9やファルコンヘビーなどで打ち上げ可能な「HARVESTOR」。小惑星を地球へ輸送する宇宙船。

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HARVESTORにより運ばれた小惑星は地球の比較的近い位置で水、推進剤、金属、建材を製造することができるとしています。画像は推進剤を製造する宇宙船。
DSi社によると、火星有人探査に必要な宇宙船は全体の重量の90%が燃料になるとされ、燃料を宇宙空間で製造することにより大幅に打ち上げコストを抑えられるとしています。

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参考:WIRED.jp