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「日本人は花粉の環境に適応し始めている」イスラエルの研究グループによると、花粉症によりフェロモン受容体が作られていることを発見。結果恋に落ちやすいという研究結果を発表しました。

2009年、オランダ・ハーグの環境リサーチシンクタンクが日本で行った花粉症の実態調査から「花粉症の人は恋人が出来る確率が高まる」という調査結果が出ました。この理由については明らかになってらず、「頭がぼんやりとしてしまうことで異性に対するコミュニケーションのハードルが下がり、意識せぬうちに親密な関係になってしまうのが原因ではないか」うんぬんと、仮説が立てられていました。

この理由についてより詳しい研究を行ったのは、イスラエル・ディアスポラ医学研究所のザハ・ザハディ教授ら。花粉症を発症している日本人125人を被験者に体内を精密に検査したところ、約2割の被験者の鼻腔にフェロモン受容体をもつ細胞が生じていることが分かったといいます。

この結果についてザハディ教授は「実に驚くべき結果です。長年花粉症に悩まされてきた日本人が、この自然による『公害』とも言える環境に適応し始めているという証拠となるものだと思います」とし、「通常、花粉が引き起こすアレルギー反応は、鼻水や鼻づまり、目のかゆみといった不快な症状をもたらすのみです。しかし長年花粉症に対応してきた、わたしたちが呼ぶところの『ヴェテラン』たちは、花粉症を自分たちの生存に利用するメカニズムを体内に生み出しつつあるのです」と述べています。 

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画像:花粉

ただし、ザハディ教授は「適応しているんだからいいじゃないか、恋人ができるんだからいいじゃないか、という話になってしまうことをわたしは恐れています。花粉症の人にとって、花粉は仕事や日常生活にさえさしさわる極度のストレスをもたらしていることを忘れてはなりません。」、「花粉症はある部分人災でもありますので、このような事態を招いたことに対して、国や自治体が相応の対策を講じることがないがしろにされてはなりません」
と述べています。

また、アルゼンチン・コルドバ農業大学の研究によれば、ゴリラやチンパンジー、コウモリといった動物の鼻でも、花粉症によってフェロモンを受容する機能が生み出されていることが分かっており、今回の研究で同じことが人間でも起きていたことがわかりました。

参考:WIRED.jp