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昨年、中国国籍で初めてノーベル文学賞を受賞した莫言(モーイエン)氏はご存じの方も多いと思います。最近、実家に訪れる訪問客に「来るのはやめてくれ」という趣旨の発言を行ったんですが、効果はなかった模様です。 

京華時報の報道によると、昨年中国籍の作家として初のノーベル文学賞を受賞した莫言(モーイエン)氏の実家を訪ねる観光客が後を絶たず、家族は困り果てているという記事を掲載しました。今月4~6日は「清明節」と呼ばれる中国のお彼岸だったんですが、今年は三連休だったこともあり3日間で1,000人以上もの観光客が殺到したとのことです。

莫氏は清明節の前、3月30日に行われたイベントで父親の住む実家(山東省高密市)を見物に訪れる観光客が後を絶たず、家族の生活に影響を及ぼしていることを上げ、「皆さん、どうかもう私の実家を訪ねるのはやめてください。私の作品に描かれているような、輝ける壮麗な風景はどこに行ってもありませんよ。」と強く懇願していました。

莫氏の実家にあたる旧居は中国山東省高密市にあり、1912年に建てられた家は築100年を超えています。莫氏は自身は1955年の出生から従軍までの22年間を過ごしていました。

実際にノーベル文学賞を受賞したその週末には200~300人程の観光客が訪れ、観光客により中庭は荒れ放題になり、植えられた木や植物は根こそぎ持っていかれています。当時、観光客のガイド役をしていた兄・管謨欣氏は快く案内していたものの、日に日に病んでいったらしく、現在は家族はほとほと参っている状態だと莫言氏は述べています。


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旧居の中庭。写真は受賞から間もない頃で畑には人参が植えられていた。

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現在の旧居。畑は消えている。

こういったこともあり、莫氏はこれ以上迷惑をかけれないとくことから「実家を訪ねるのはやめてください」と断ったものの効果は無し。莫言氏の実家には今日も観光客が訪れ、敷地から壁やレンガの一部を“記念に”持ち帰る者も現れているといいます。

参考:Record China