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ニュースが入れば「北朝鮮が・・・」といい加減飽きてきますが、残念ながらネットでも北朝鮮です。複数の中国筋によると、中朝国境に近い北朝鮮の空軍基地に多数の爆撃機が駐機している様子が確認されたそうです。

北朝鮮との国境に近い中国遼寧省丹東市鴨緑江の付近から撮影されたのは北朝鮮・新義州空軍基地です。この基地では、今年の3月頃からH-5爆撃機(Il-28の派生型)が複数機確認されており、共同通信が撮影を行った日については15機の機体が確認できたとのことです。

中国筋によると、「偵察衛星で北朝鮮を監視する米国などに戦闘準備の姿勢を誇示する狙いがある」と指摘。実際の軍事行動などに出る可能性は低いとみています。北朝鮮の同じエリアではヘリコプターから数十人がパラシュートで降下する訓練が3日連日で実施されています。

H-5爆撃機

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H-5(轟五)はソ連のイリューシン設計局が開発した中型のジェット爆撃機Il-28(イリューシン28)を中国がライセンス生産した機体です。Il-28の原型機が初飛行したのは1948年7月8日。翌年に旧ソ連空軍に引き渡されています。パイロットは胴体上面に張り出したキャノピー部のコックピットに操縦士が搭乗し、航法士と爆撃手は機首部にある風防部分に搭乗します。

エンジンは、初期量産型ではイギリス製ロールス・ロイス ニーンのソ連生産版であるクリーモフ RD-45(ソ連が実用化した初期のターボジェットエンジン)を、後の量産型ではRD-45の改良型であるクリーモフ VK-1を装備しています。このエンジンは中国でもライセンス生産が行われています。

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H-5の最高速度は750km/h、航続距離2,400kmで機体後部に2門の23mm機関砲、3000kgの爆弾を搭載できる爆弾倉が胴体内に備わっています。H-5の派生型としてはAタイプが核弾頭運用型となっています。