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「あれ、この容器は電子レンジに対応している?」と裏側を返して確かめたことはみなさんあると思います。基本的対応の有無を調べる程度だと思うんですが、米教授はこれ以外にも注意してほしい2つの物質があるといいます。

冷凍食品を温めるのも、冷めた料理を温めるのもレンジに入れるだけ。「電子レンジが無い生活は考えられない」という方がほとんどだと思うんですが一方、電子レンジに入れても大丈夫な容器とそうでない容器があるというのはご存知でしょうか。

アリゾナ州立大学のバイオデザイン研究所環境安全センターのディレクター、ロルフ・ハルデン博士は電子レンジでプラスチック容器を温める場合、注意しなければならない2つの物質をあげています。

一つはフタル酸類というもの。PVC(ポリ塩化ビニル)容器の柔軟性を高めるため入れられているものだそうなんですが、熱すると溶け出す可能性があるといいます。仮に体内に入った場合、ホルモンバランスを崩したり、障害児が生まれる可能性があると考えられているんですが、具体的にどのくらいの量で問題を引き起こすかは明らかになっておりません。

もう一つはスフェノールA(BPA)ビスフェノールA(BPA)という物質です。透明で丈夫なポリカーボネートの大量生産するのに利用され、金属のカンの内側の被膜やレシートの紙にも使用されています。この物質は先ほどのフタル酸類よりも有害で、米食品医薬品局は2012年7月に哺乳瓶にBPAを使用することを禁止しており、日本でも厚生労働省食品安全部基準審査課はホームページで乳幼児と妊婦に対して注意を呼びかけています。人体に入った場合は神経異常や早熟も引き起こすとされています。

興味深いのは発展途上国に住む人の血液からは有害物質は見つからないことが多く、同様に乳がん、肥満、思春期早発症といった健康障害が少ないという理由からこういった物質が何らかの影響を与えている可能性があるという見方があります。 

また、有害物質が溶け出す量は熱を加える時間や容器の状態などによっても変わり、古くひびが入った容器や何百回も洗った容器は溶け出す毒素が多くなる傾向があるそうです。

参考: WSJ.com