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中国で自転車で走っていた男性が転倒。しかし、誰も手を差し伸べず放置され死亡するという出来事がありました。

今月20日、中国広東省での広州大橋上で男性が死亡したニュースが報道されました。金羊網・羊城晩報によると、死亡したのは不動産会社に勤務している50代の男性。20日午後、自転車で橋を渡っていたところ突然転倒しその後死亡したとみられています。救急隊が駆け付けた時には男性の呼吸はすでに停止状態で、外傷はなく突発性の心臓疾患が死因と考えられています。

その後の情報によると、男性が転倒してから実に50分以上放置されていたらしく、誰も助けることはしなかったといいます。

倒れた人を助けてはいけない

「倒れた人を助けない」「助けてはいけいない」という風潮が中国にあるのはご存知でしょうか。大本となったのは有名な彭宇(ポン・ユー)事件です。これは2006年、中国で転んだ老人を助け病院に送り届けた彭宇さんが、老人が「突き飛ばしたために転んだ」と訴えられ7万9000元(約105万円)の支払いを命じられるというものです。裁判所は「本当に正義の心からの行動なら、老人を助け起こす前にまず犯人を捕まえるはず」などと推測しています。同様の裁判は他にもあり、多額の慰謝料を払えず自殺した人もこれまで確認されています。

2009年8月に江蘇省南京市のメディアはネット上に「転んだお年寄りを見たら、あなたは手を差し伸べて助けますか?」とアンケートを採ったところ、手を差し伸べるべき」と答えた人は63%に達したものの、「同じ場面に遭遇しても手を差し伸べる」「はい」と答えた人はわずか7%でした。

2011年9月には中国衛生部が「転んだ高齢者への関与技術の手引き」を公布し、そこには「急いで助け起こさず冷静に状況を見ること。意識がなければ救急車を呼び、止血などの応急手当てをする。嘔吐していたら窒息しないよう呼吸を確保する」「意識がある場合は、転んだ理由を聞き、病院まで送り届けるか救急車を呼ぶ」などの内容が書かれているといいます。

参考:Record China