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ケニアにある休火山の火口溜まった大量水。所謂火口湖になるんですが、実は過去にこの湖が大爆発し、多数の死者数を出したことがあります。

1986年8月21日、突如爆発を起こしたのはケニア、オク山山頂にある火口湖『ニオス湖』です。カメルーン火山列上に位置し休火山が突如爆発を起こしたこの災害では、付近の住民1,800人が死亡。また家畜3,500頭が犠牲になるという被害を出しました。

何故これだけ多くの犠牲者が出てしまったのか。この爆発による主の死因はなんと二酸化炭素による窒息死です。夜間発生した『湖水爆発』という聞きなれない爆発により、ニオス湖から160万トンもの二酸化炭素が発生。火山性ガスである硫化水素を含む二酸化炭素のガス雲は大気より重いためそのまま山麓の村を襲い、住民らのほとんどは意味もわからず窒息死したとされています。
当時の記録ではニオス湖から1kmほどしか離れていないニオス村では1,200名が死亡し、村で生き残ったのは僅か6名だけだったとされています。

▼窒息死した家畜
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ニオス湖は何故大爆発を起こしたのか。理由は湖底の地下にはマグマ溜まりが存在し、常に二酸化炭素を湖水に供給し水に溶けていました。そこに地震や火山など物理的な衝撃が発生すると過飽和状態の水が一気に吹き出し大爆発を起こします。
このような特殊な湖はケニアのニオス湖・マヌーン湖、ルワンダのキブ湖の3つが確認されています。

現在、ニオス湖は日本の政府開発援助により湖底から二酸化炭素を放出する作業が行われ突発的な大爆発を防いでいます。

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写真:ニオス湖のCO2放出作業

参考:Wikipedia