中国の井戸

水資源に乏しい中国。地下水を汲み上げ飲料水に使用している地域が多いそうなんですが、その地下水がヒ素汚染されている疑いあると研究結果が報告されています。

中国全土には飲用の井戸が1,000万カ所以上あるとされているものの、実際の数は正確にはわかっていません。最新号の科学雑誌によると、スイスの科学研究所と中国の研究員が開発した地質図モデルによって算出された結果、中国では1,960万人が安全ではない飲用水、つまりヒ素汚染された水を摂取していると数値が出たといいます。

ヒ素が浸み込んだ地下水を長期摂取した場合、その濃度が低くても、皮膚の色素沈着や手のひらや足の裏の角質化、肝臓病、心臓や腎臓機能の低下といった健康被害が発生すると言われています。

ヒ素と井戸水

日本でも定期的に井戸水の水質検査をしたほうがいいと耳にしたことがありますが、ヒ素はいったいどこから出たものなのでしょうか。

一般的に地下水に解け出したヒ素の起源は、多くの場合天然の地層・鉱物からでたものと考えられています。
また人為的な原因によるヒ素汚染はないのかという点については、千葉県地下水汚染対策連絡会及びヒ素含有地下水に係る調査対策部会の報告によると、大阪で行われた地下水質常時監視において農薬や周辺事業所に立入調査など行ったところ特に原因となる点は見つからず、こちらも「ヒ素の検出は人為的な原因によるものとは考え難く、地質から溶出した自然的な原因によるものと考えられています。」と結論づけられています。

参考:Record China Photo:透希の旅行記