Su-34

アメリカを初め民間宇宙企業による民間人の宇宙旅行が始まろうとしていますが、一方ロシアでは戦闘爆撃機を改造し宇宙を目指そうとしていたことがあったそうです。

戦闘爆撃機として東西の軍オタから根強い人気を誇るSu-34。軍用機にもかかわらずトイレや電子レンジまで備わっているということで有名なんですが、この機体を改造し高度100km、つまりビジネスとして宇宙旅行を始めようという計画があったそうです。

これは2008年、Su-34の開発元であるロシアのスホーイ社が発案したFanstream SSBJ(SuperSonic Buisiness Jet:超音速ビジネスジェット)というものです。Fanstreamのベースは同社の戦闘爆撃機Su-34とし、数名が搭乗できるように改造。さらにエンジンを2基増設し計4基、さらにロケットエンジンをもう一個追加し『4+1』で高度100kmの宇宙に行くというものです。

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さらに、緊急時には客室と本体を切り離し安全に着陸できる機能も備わっていたそうです。このあたりは「さすがロシア」といった感じでしょうか。
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実際のところこの計画がどのようになったのかはわからないのですが、実現していればSu-34の派生型にも乗れ、更に宇宙にも行けてしまうとう『おいしいフライト』になったはずです。なんとももったいない。

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フライト内容は高度50kmのプランと100kmのプラン。もしくは1度の飛行で50km、100kmの両方を飛行するというものになっていたそうです。 

実際のところ、ロシアではお金を払えば一般人でも戦闘機に乗ることができるので、こういった案が生まれるというのはお国柄ということなのでしょうか。何れにしても民間宇宙旅行が活発になれば、もしかしたら別の形で復活することもあるのかもしれません。

参考: 蛇乃目伍長の「エアフォースの英国面に来い!」 Mk.2