image_177

韓国の前ムン・ジェイン政権が進めてきたのは軽空母、いわゆるカタパルトを使用しない艦艇を保有するという案について、現尹政権が再検討をする可能性が高いと報じられています。

ムン・ジェイン大統領が日本および中国に対抗するために建造計画を進めていた(韓国メディアの表現)のは排水量が3万トン以上の軽空母保有計画です。これはムン大統領が2017年頃より計画を始めたもので、その後規模が拡大し政権末期には全長270mクラスにまで拡大していました。

▼2021年に発表されていた軽空母案
image_62

このようにイギリスのクイーンエリザベス級空母のようなサイズ感になっています。

一方でこの空母についてそもそも、アメリカや日本、イギリスのような海洋国家でもない国が何のために保有するのかというツッコミが多く寄せられていました。これは韓国軍内外でもそのような意見が当然出されていたことになります。

また運用する機体についてもF-35Bとしていたのですが、基地がら飛び立つF-35Aに比べて性能が劣る一方で高価という問題があり、そもそも軽空母を使用して対応しなければならないような離島、国土面積も存在せず、韓国メディアの表現として「軽空母は事実上、誇示・展示用にすぎないという批判もある」としています。



一方で尹政権はより現実的な軍事力を持つべきだと提唱しており、まずは北朝鮮の核・ミサイルの脅威に備えるキルチェーン、ミサイル防衛など「3軸体制」を提唱しており、軽空母の保有は少なくともその後の話しだと主張しています。

また韓国軍もF-35BではなくF-35Aを追加購入すると既に決定しており、この点を見ても事実上軽空母案は撤回されたというよりも、最初から購入する気はなかったと言うとになります。

参考