image_224

最近注目されている水素。これに関しては水から電気分解などで水素を取り出すにも莫大なエネルギーを必要とし、コストパフォーマンスは化石燃料を大幅に超えるとも言われています。水素を効率的に生産させるのかがまずは普及に繋がるのですが、今回はガリウムとアルミニウムを使用するという案です。

カリフォルニア大学サンタクルーズ校の化学研究者が開発したのは酸化アルミニウムの粉末を利用することでH2OからOを取り除き、残ったH2つまり水素を直接、外部のエネルギーなどを必要とせず瞬時に取り出すというものです。この酸化アルミニウムはだたの物質ではなく、ガリウムが含まれるものだとしています。

Aluminum Nanoparticles from a Ga–Al Composite for Water Splitting and Hydrogen Generation | ACS Applied Nano Materials
https://pubs.acs.org/doi/full/10.1021/acsanm.1c04331

Aluminum-gallium powder bubbles hydrogen out of dirty water
https://newatlas.com/energy/aluminum-gallium-hydrogen-powder/

酸化アルミニウムと水を反応させれば水素を取り出せるというのは界隈では当たり前のように知られていたのですが、この研究者は学生が自宅のキッチンでアルミニウム/ガリウムの水素生成を行っていることを発見し研究することをはじめたとのこと。

問題は酸化アルミニウムとガリウムの混合割合です。具体的には不明なのですがガリウムを混合させることでアルミニウムのナノ粒子を分離させ固まりにさせることを防ぐことができるといい、このアルミニウムのナノ粒子の製造に苦労してきたものの今回のは実験室などどこでもできるような普通の大気圧と室温で作ったとしています。

アルミニウムはこのようにナノ粒子構造になっているため表面積が非常に大きく水と勢いよく反応します。そのため理論上の上限の90%という反応で水素を生産することができているとのことで、わずか1gのガリウムとアルミニウムの合金から130mlの水素を短時間で直接取り出せるとしています。

作るのも簡単、取り出すのも簡単

問題はこの合金を作るコストです。ガリウムは高価なのですが再利用することができるといい、反応後に残ったガリウムを再び新しいアルミニウムと混ぜるだけでいいとのこと。作り方も簡単でそこらに売っているアルミホイールやアルミの缶と一緒に正しい比率で手で混ぜるだけでいいとのこと。

そしてその反応に使う水はどのような水でもいいといい、汚水でも海水でも水素は取り出せるとしています。

このように反応後のガリウムを回収して再利用できるため水素のコストを抑えるのに役立ちます。また、反応が普通の圧力と温度で起こるということで特殊な設備が必要とせず少ない機器、少ない投資で水素を生産できることを意味します。

*抄訳したものを掲載しています