XA100_1

戦闘機として単発エンジンで世界最強の出力があるのはプラット・アンド・ホイットニー社製のF135エンジンです。目安として従来の戦闘機約2基分のエンジンに匹敵する出力があるのですが、ゼネラル エレクトリックのXA100を搭載した場合、航続距離などがさらに20%ほど伸びるとしています。

航空機のパフォーマンスに大きく影響するのはエンジンです。車と同じようにエンジンが力不足ではいくら高性能な機体でもそのパフォーマンスを最大限引き出すことができません。それどころか、飛行距離(航続距離)、搭載できる兵器、機体に供給できる電力なども低下するという事態を引き起こします。

一方で極めて繊細で、かつ耐久性と信頼性が求められ世界でも戦闘機用のエンジンを作れるのは技術大国くらいです。
その技術大国の一つであるアメリカではF-35用にF135エンジンを開発。性能としてはドライ出力が125kN、アフターバーナー使用時で191kNとなっており、たとえば欧州のユーロファイターやF/A-18E/Fに搭載されているエンジンの約2倍出力があります。

しかし、F-35が多く配備される一方でエンジンに問題がいくつか見つかっています。特に耐久性です。例えばアメリカ軍によると、F-35A(空軍型)においてはうち15%の機体でタービンブレードの過度な摩耗が発生していることがわかっており、このF135エンジンの修理にも人不足、材料不足が発生していると報じられています。

そこで空軍としては今後ゼネラル エレクトリックのXA100およびXA101を搭載する可能性をみており、アメリカ空軍のアダプティブエンジン移行プログラム(AETP)としてこのエンジンに既に44億ドル(4400億円)以上を投資しているといいます。

XA100 Next Generation Adaptive Engine Could Now Power F-35B, Too



XA100

具体的にXA100はどのような性能があるのかという点について、仮に搭載できるようになった場合このような利点があります。
  • F135よりも燃費25%向上
  • エンジン推力10~20%向上
  • F135に比べて耐久製や熱管理は同等か超える
  • 軽量
以上の点からF-35AにXA100エンジンを換装させた場合、目安として航続距離は30%増、加速力は20%増となるとしています。つまり戦闘機としてのパフォーマンスを著しく向上させることができる可能性を秘めており、空軍としては非常に魅力的に感じていると考えられます。

今後換装される可能性はかなり高いと思われるのですが実装予定は記載がなくよく分かりません。そのため試作機などを用いた試験を考えても2020年代後半頃と考えられます。