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睡眠時間と認知症が関連しているという話はみなさんも聞いたことがあると思われるのですが、海外で行われた研究では午後9時前に就寝したり1日8時間以上寝ている人は認知症リスクが2倍程度高くなることがわかったと報じられています。

これはJournal of the American Geriatrics Societyに掲載された論文で、調査の対象となったのは1982人の中国人の高齢者で、彼らは事前の診察で認知症がなかったと診断されています。その後、個々の人を約3.7年間追跡を行って97人が認知症を患いました。

Do Sleep Timing and Duration Affect Dementia Risk? - Neuroscience News

今回テーマになっているのは睡眠と認知症の関連です。研究として、認知症のリスクは睡眠時間が1日8時間以上の高齢者では7~8時間の人に比べて人で69% 高く午後9時より前に就寝した人では午後10時以降に寝る人よりも2倍高かったとしています。

今回の研究となった人は見出しでも記載したように60歳以上で認知症がなく、中国山東省西部の農村地域に住んでいる1982 人の参加者のデータを使用しているとのこと。

この研究では長い睡眠時間と早い睡眠時間における認知症のリスク増加と関連していると説明されているのですが、認知機能低下の増加との関連については60~74 歳の高齢者と男性でのみ明らかだとしており女性は当てはまらなかったという趣旨の記載があります。

また睡眠のタイミングと就寝時間における高齢者の認知症および認知機能低下との縦断的な関連性は不明だとしており、根本的になぜ睡眠時間の長さで認知症レベルが上昇してしまうのかまでは調査していません。

長過ぎる睡眠は害?

「睡眠時間は9時間ないといけない」などと特に小学校の頃は学校でもそう言われていた覚えがあるのですが、歳をとることに睡眠時間を変える必要性が明らかになりつつあります。



過去の研究からも50万人の睡眠時間や脳のMRI含めた調査研究でも長い睡眠時間は認知機能の低下が繋がる可能性が示唆されており、この研究では中高年者は7時間の睡眠が最適だとしています。つまり朝6時くらいに起きる人は11時に寝るのが最適だとしています。

日本の厚生省「60歳以上は6時間睡眠が平均」

厚生省によると「60歳代以上で平均6時間弱と高齢になるほど、概して必要な睡眠時間が短くなることが報告されており、無理に長時間眠ろうとすることで、かえって睡眠の質を低下させることがあることに留意することが必要です」としています。(参考)

*抄訳したものを掲載しています。医学的な内容につきましては必ず医師の説明を受けてください。