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アメリカで開発されている様々な次世代兵器。一方で消えてしまうものも数多くあるのですが、今回はレーザー兵器です。米空軍では敵のミサイルなどを撃ち落とす自衛用レーザー兵器も開発しているのすが、「次世代航空支配」プロジェクトの中核能力として期待視していることが見えてきました。

これは中国航空新聞網が掲載したもので、現在アメリカでは固体レーザー システムに基づく多くの空中レーザー兵器の研究開発プロジェクトを開始および実行しており既に程度の進歩を遂げているといい、米国空軍の機密解除された文書として、米国空軍が指向性エネルギー兵器を「次世代航空支配」プロジェクトの中核能力と見なしていることを示しているとのこと。

レーザー兵器は攻撃用・自衛用として運用可能なもので、ミサイルや機銃によりも正確に命中させることができ、妨害に強く、消耗品が少なく、必要な電力が得られれば弾薬のように制限が比較的少ない利点があります。

戦闘機などに搭載する計画は米国空軍研究所が2015年にノースロップ グラマン、ロッキード マーチン、ボーイングが共同で開発した「自衛型高エネルギー レーザー デモンストレーター」(SHiELD) プロジェクトとして始まりました。

戦闘機の空対空ミサイルや地上から発射する対空ミサイルなどを撃ち落とす空中小型戦術レーザー兵器システムの技術成熟度要件はレベル6。現在は主に米国の第4世代戦闘機向けのポッド型空中レーザー兵器の開発を行っており、将来的には第6世代戦闘機に搭載される内蔵型の空中レーザー兵器を開発する予定になっているとのこと。



必要な技術は空気圧統合ポッド サブシステム (LPRD)、ビーム制御サブシステム (STRAFE)、高エネルギー レーザー サブシステム (LANCE) 。

空力統合ポッドサブシステムは戦術戦闘機に搭載はボーイングが担当。主にレーザーの搭載スペースやレーザーの電源・冷却を提供し、ビーム制御サブシステムはノースロップ・グラマン。高エネルギー レーザー サブシステムはロッキード マーチンが担当するなど、アメリアの軍需企業が一体となって協力に開発を進めています。

開発状況といしては2021年2月末にボーイングはポッド サブシステムを米国空軍研究所に納入。2022 年 2 月、ロッキード マーチンは技術的にブレークスルーをもたらしたといい、軽量で小型の空中光源の設計基準を確立したことで米国空軍に高エネルギー レーザー サブシステムを提供しました。

しかし、当初2021年に予定されていた空中試験飛行試験の第2段階は技術的な問題と新型コロナの影響で2023年に延期。テストのこのでは高エネルギー レーザー サブシステムと統合された実物大のレーザー兵器のプロトタイプをテストします。
具体的には戦術戦闘機での亜音速/超音速飛行試験となり高エネルギー レーザーサブシステムと他のサブシステムとの調整、搭載バッテリーの電源供給能力を確認し、特にレーザーが過熱して追加の熱管理手段が必要かどうかを判断します。

結果を受けて米空軍は2024年度に 50kWのフル システム テストを実施する予定で2030年にはシステムが実際の戦闘能力を持つ、つまりレーザー兵器の初の実戦配備となると予想しています。

記事では空中レーザー兵器システムは空対空、空対地、空対空攻撃、およびミサイル防御のための戦闘兵器になり、今の戦闘に大きな変化をもたらすだけでなく、将来の戦争の戦略と戦術に革命的な影響を与える兵器となると主張しています。