AGM-88G

アメリカ海軍によると、AGM-88Gという一般的に戦闘機から発射される対レーダーミサイルに関して製造元のノースロップ・グラマンが地上から発射する試験を今年実証すると報じられています。

米国海軍航空システム司令部のプログラム・マネージャーであるアレックス大尉が今月15日発表したもので、AGM-88シリーズ中でも最新モデルである対レーダーミサイル『AGM-88G』(AARGM-ER)を地上発射して実現の可能性を評価するとしています。

▼戦闘機における対レーダーミサイルの動作例


対レーダーミサイルは映画やこの手のゲームでもほとんど登場しないような兵器です。仕組みとしては一般的な赤外線に反応する赤外線誘導やレーダーや、レーダーを使って敵機を探り当ててロックオンするミサイルとは異なります。

AGM-88Gは例えば防空ミサイルなど対空車両が運用するレーダーに反応して発信源に突っ込むミサイルです。敵機を撃ち落とすためレーダーは現在必須技術になっており、逆手にとってそのレーダーに反応させてロックオンする仕組みです。
もっとわかりやすく言うと、例えばスピーカーがあって音に反応するミサイルがあったとすればその音が出ているスピーカーに突っ込むという仕組みです。これがレーダー(電波)になっているという差になります。

ではレーダーが切れらたら狙えなくなるのかというと、もちろん狙えません。ただし、現在はレーダーを発信した箇所を記憶し突っ込む仕組みが搭載されており、命中精度はある程度下がるもののそのような仕組みとなっています。

AGM-88G 地上発射型

こちらがノースロップ・グラマンが発表した地上発射型AGM-88Gのモデルです。コンテナサイズに収められ合計9発発射できるようになっています。

AGM-88G_1

アメリカでは現在、特に海兵隊が部隊再編イニシアチブを行っており、敵の兵器が飛び交うようなエリアでも効率的に兵器を運用できる比較的小型で扱いやすい兵器を求めているとのこと。

今回コンテナにした理由についてもインフラが整っていれば輸送が用意であり例えば船に搭載することで能力を付与したり、他にも様々なコンテナに納める兵器を運用できれば様々な任務に対応できる艦艇として生まれ変わることができるとしています。

このような兵器開発をする目的がアメリカとしてはいったいどこの国を想定しているのか。予想ではやはり中国とも考えられるのですが、今回のウクライナ戦争を受けて特に台湾海峡での戦争を予想した兵器は今後多く登場するかもしれません。