核の冬はフェイク

核兵器使用により大量の廃やチリが舞い上がり『核の冬』がきて大量の人が死亡する…みなさんも一度はそのようなお話を見聞きしたことがあると思うのですが、この代表的な論文がどう考えてもおかしいと報じられています。

これまでも大規模な火山噴火などで大量のチリが舞い上がり世界的な気温低下が発生したことで飢餓だったり米不足が発生することはよく知られていませうが、これと以上のことが核兵器で発生するというのが所謂核の冬です。

Nuclear Winter Theory is Wrong as It Assumes Super Flammable Cities | NextBigFuture.com
https://www.nextbigfuture.com/2023/02/nuclear-winter-theory-is-wrong-as-it-assumes-super-flammable-cities.html

特に説明する必要はないのですが、この論文は2007年に『インドとパキスタン』で核戦争が発生すれば核の冬と大量飢饉の引き金になるということについて書いたものであり、核の冬は今も普通に使われ認識されています。

では本当にインドとパキスタンが核戦争を始めれば核の冬が発生するのか。当然嘘です。そんなものは発生しないと研究者は指摘しています。

どういうことなのか。まず第二次世界大戦を見れば分かると指摘しています。第二次世界大戦中アメリカは日本に対して6ヶ月間で2発の原子爆弾で1372 ヘクタールを破壊、更に通常の焼夷弾により46000ヘクタールを焼失させました。『核の冬』を主張する論文では8ヶ月間ススが舞い続けるとしているのですが、当時、目立った気象上の変化は確認されていません。ちなみ日本がこの間爆撃され廃墟となった規模は核兵器60発分に匹敵します。

この「核の冬」の支持者はインドとパキスタンの間で合計で100個の核兵器により成層圏に5兆グラム (500 万トン) のススが生成するという結論づけています。まずこれがフェイクです。

そもそもインドやパキスタンの家などはレンガ造りであるためススはあまり発生は少ないとしています。当然ですが木造を主体としている日本に比べると圧倒的に少なくなります。

2017年のカナダの山火事では120万ヘクタールの森林が焼かれ成層圏に0.006 ~ 0.02テラグラムのすすが供給されたと述べています。森林火災は核爆弾によって引き起こされる火災よりもはるかに多くの地域を焼き尽くしました。では2017年以降、冬が発生し人類が死滅する危機になったでしょうか?
核の冬が訪れるには火事の領域だけではなく非常に激しい火事が発生する必要があります。つまり地上で火災が発生するレベルでは冬は発生しないというものです。

以上から仮に核の冬が発生する条件としては成層圏に1億5000万トン (150テラグラム)のススが舞い上がる必要があると指摘しており、合わせてファイアーストームといった上空にススを舞い上げる特別な条件が必要になるとのこと。

核兵器によるファイアーストームは広島や長崎でも観測されていないらしく、 核兵器で核の冬が訪れるトリガーにはならないとしており、当然燃える物が少ない大半がレンガ造りの家となっているインドやパキスタンでは発生しないということになりそうです。

ちなみに人類はこれまで地球上で2000回の地上および地下核実験を行っています。