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仕事や勉強など様々な原因で精神的に病んでしまうと発症するのがうつ病です。これに関して専門家は、運動することは薬やそこらのカウンセリングよりも1.5倍ほどうつ病に対して有効だと指摘しています。

「気晴らしに運動する」や「気晴らしに何かをする」という言葉があるように気分を変えるため何らかの別な行動をするというのはよく知られておりみなさんも経験があると思います。

Huge New Study Shows Why Exercise Should Be The First Choice in Treating Depression : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/huge-new-study-shows-why-exercise-should-be-the-first-choice-in-treating-depression
Effectiveness of physical activity interventions for improving depression, anxiety and distress: an overview of systematic reviews | British Journal of Sports Medicine
https://bjsm.bmj.com/content/early/2023/03/02/bjsports-2022-106195

南オーストラリア大学(UniSA)の臨床運動生理学者 Ben Singhによると軽度から中等度のうつ病、不安、および精神的苦痛の症状が身体活動で軽減できるといい、運動はカウンセリングや最高の薬よりも1.5倍ほど効果的だとしています。

「身体活動は精神的健康を改善するのに役立つことが知られています。しかし、証拠があるにもかかわらず、第一選択の治療法として運動が広く採用されているわけではありません」としています。理由についてはクリニック側が薬を売って儲けようと…というような単純なものではなく、どのような運動をするのか、その強度など臨床医が身体活動とメンタルヘルス障害の治療が有益であることを示唆する証拠を理解することが難しいためではないかと指摘しています。

この研究では12のデータベースから128,119人以上の参加者による1039 件の試験を含む97件の評価内容を分析し運動が本当にうつ病に有効なのか調査しました。結果は見出しでも紹介したように運動はうつ病以外も不安、精神的苦痛などの症状に対してカウンセリングや一般的な投薬よりも1.5​​ 倍ほど改善効果が見込まれるとしました。

運動についても外に出る必要がないものもあり「ウォーキング、筋力トレーニング、ピラティス、ヨガなどの有酸素運動を含む、あらゆる種類の身体活動と運動が有益であることもわかりました」とSingh 氏は述べています。

運動の強度については「高負荷の運動はうつ病や不安神経症の改善に大きく貢献していたものの短時間や中期のバーストと比較すると長時間の運動は効果が小さくなっている」としており、特に長い運動は目標を決めてしまうことで逆に負担になっている可能性があると指摘しています。

この調査内容については「投薬や治療が多くの精神的健康状態にとって重要な治療法であることを否定しているものではない」といい「身体活動は精神障害と診断された人々やそれ以外の慢性疾患を持つ人々を含む幅広い成人集団にわたってうつ病、不安、および苦痛の症状を改善するのに非常に有益です」と説明しています。

もしみなさんも何かに悩んでいる場合はそれを忘れるくらいの軽い運動をすると別の解決方法を見つけることができたり、精神的に楽になるかもしれません。もちろん誰かに相談したり場合によっては薬に頼るということも重要です。

*抄訳したものを掲載しています。医学的な内容につきましては必ず医師の説明を受けてください。