T-62


イギリス国防省によると現在のウクライナの戦況に関して、その精鋭部隊もT-62という第二次世界大戦の開発された古い時代の主力戦車を運用しなければならない状況になっていると報じられています。

2022年2月、ロシアが「侵攻することはない」と言っていたにも関わらず西側の分析通り侵略を開始。短期間で全土を占領する第二次世界大戦レベルの典型的な電撃戦をしかけたものの失敗。この時点で撤退すればよかったもののロシア軍東部から南部の戦線の維持に尽力しなければならないという状況になっています。

Business Insiderによるとイギリス国防省の発表として、2022年の少なくと夏以降にロシアはモスボールとして保管し整備が必要なT-62を戦車を投入しているといい、推定として800両のT-62がその対象になったとしています。記事では第1親衛戦車軍という精鋭部隊も兵器不足が深刻だとしておりなんとT-62が配備されているといいます。



問題なのはこのT-62は1962年~1975年に生産された車両で現在に続く機動性と攻撃力のバランスがとられた『中型戦車』を主力戦車とする現在の戦車の根にあるようなもので、第一世代主力戦車となりました。
合計生産数はよく分かっていないものの世界で約2万両とされており、ロシアは2012年頃に国内のT-62をほぼ運用を停止していたことが分かっています。

しかし2022年の5~6月時点でT-62をウクライナ侵攻に運用していることが報道され11月時点で少なくとも56両が撃破されたことが確認されています。つまりロシアとしてはT-62を持ち出す必要もないくらいに早期に占領できると思っていたことは当時の西側の判断と同じように考えいたと思われます。

攻撃力についてはAPFSDSという貫徹力の高い砲弾を一応利用できるものの、砲弾の装填は狭い砲塔内部で手動で行わなければならないなど、扱ったことがないような兵器を運用しなければならず戦闘能力もかなり限定されるものと思われます。