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都市シミュレーションゲーム『シティーズ』。Youtubeには汚水で遊ぶ謎の街が投稿されていますが、一方中国ではまるでこのゲームのようにpHが1という考えれない強酸性の硫酸廃棄物でできた池が存在すると報じられています。

簡単にまとめると
  • 硫酸の池は銅山からでた廃液を貯めたもの
  • 池できて今年で36年目
  • 下流の村では川が死に、農地も酸性化
  • 村民に対しては1年間に1万6000円を補償
  • 処理された廃液より地下水に流れる廃液の方が多い
韓国メディアKBSによると中国江西省、上饒市(上饶市)にある銅鉱山を取材し、ドローンで撮影したところ、禿山に囲まれたところに薄気味悪い赤色をした液体の池を確認しました。この池は大小4つあるとのこと。いったい何がどうなってるのか。

記事によると当然中国の地元政府も把握しており、先日この池の調査が実施されました。中国の生態環境部合同調査チームが行った調査結果として貯水池に溜まった液体は硫酸廃棄物で酸性度はpH 1。一般的にpH 4.5以下の湖であれば生物種全滅することが知られています。

さらに硫酸だけではなく大量の重金属も検出されたとしています。具体的には、基準値よりも最大32倍の亜鉛、22倍の銅、そしてカドミウム(4.6倍)、ニッケル(3.4倍)も検出されたとのこと。


なぜこの池が誕生したのか。実はこれは元々貯水池だったとのこと。しかし、1984年以降に銅山の採掘が行われ、1日あたり数万トンの鉱物を掘り出す巨大な施設になりました。結果、硫酸の池は鉱物から銅を取り出す過程で生じる廃棄物がたまり続けたとしています。

会社側の説明によると1978年に掘削が始まったといい当時は国の環境基準に内に収まっていたとのこと。しかし1984年になると本格的な掘削が開始すると硫酸の池が形成され36年もこの状態が続いているとのこと。

当然この池の下流には村があり、毎年梅雨の時期になると溢れた廃液が河川に流出。当然川に魚などはいるはずもなく、農地は酸性化され作物が育たないという世紀末のような状態になってしまったとのこと。そこで会社側は村民らに対して1年間に1000元(16,000円)を補償しているそうです。

中国当局の調査によると銅山の稼働状況から廃液の量そして廃液の処理量が合わないとしており、処置される廃液よりも地下水に流れ出している廃液の方が多いだろうなどと指摘しています。