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韓国の複数メディアによると、今月19日外国の貴賓が参観する中、国産の対戦車ミサイルを試射したところ目標を大きく外れ近くの水田に着弾するという事故があったと報じられています。

聯合ニュースによると事故があったのは19日午前10時10分頃、京畿道楊平郡(キョンギド・ヤンピョングン)にある陸軍楊平総合訓練場で、この日外国の貴賓を招き訓練の様子を参観していたところ試射した国産対戦車ミサイル AT-1K Raybolt、韓国では玄宮(ヒョングン)などと呼ばれている兵器が目標を外れ民家近くの田んぼに着弾するという事故があったと報じています。

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記事によると、発射されたAT-1Kは発射地点から1.5km離れた水田に着弾したといい着弾時の爆発音が一帯に響き渡ったとしています。着弾地点は最も近い民家から40mの距離でその周囲には10世帯があるとのこと。

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着弾後間もなく軍人10人が現場に到着。着弾地点にはくぼみが確認できていたとのこと。村長によると「これまでフレアや砲弾の破片は村に落ちたことはあるが、ミサイルが飛んできて着弾したのは初めてだ」「標的から1.5kmも飛んで民家近くに落ちるなんて話にならない」と批判。相次いで不祥事が発生しており「根本的な対策を用意してほしい」と要求しています。

事故当時、雨が降っており水田がぬかるんでいたこともあり被害が最小限に収まったという指摘もあるのですが、軍は「被害住民に対しては十分な補償をする」とし、今回の事故に関しては「欠陥や操作ミスなど事故原因に対する調査を行い再発防止に努める」と話しています。



AT-1K Rayboltは2017年に生産が開始された韓国の国産対戦車ミサイルで全体の重量は20kg、有効射程は2.5~3km。歩兵用の対戦車ミサイルとして2人1組で運用できるほか、車両に搭載するタイプも開発されています。また海外への輸出も行っており、サウジアラビアやアラブ首長国連邦に納品されています。