H-20

数年前より開発が噂されているのは中国が開発しているという大型ステルス爆撃機です。これに関してイギリスのシンクタンクは中国からハワイまで往復可能な機体になっている可能性があるという研究内容が報じられています。

香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、17世紀設立された世界で最も古いことで知られるイギリスのシンクタンク『英国王立防衛安全保障研究所』(RUSI)が作成した報告書として、現在中国で開発が進んでいるとされる次世代戦略爆撃機H-20に関して、本土からハワイまで攻撃することができるという内容を紹介しています。

記事によると、2020年8月に米国防総省の報告書ではH-20の行動半径つまり、空中給油無しで行って帰ってくることができる距離はアメリカのグアム基地をターゲットとした8500kmになるだろうと予想していたものの、他の軍事専門家らはハワイまで往復可能な1万2000kmに達するだろうと報道。中国の軍事専門家である『宋忠平』氏は、開発中の爆撃機は中国における『3大核戦争力』の一つとして米国領土まで到達できるよう設計されたなどと話しているとのこと。

中国はアメリカのようにハワイやグアム、また日本や韓国のように海外で使える空軍基地というものが事実上存在しておらず、中国本土から飛び立ち通常爆弾による爆撃を行うと想定した場合は、敵地上空まで飛び続ける必要があります。もちろん空中給油などの技術にも左右されるもの、1万2000kmという数値についてはカタログスペック上はアメリカのステルス爆撃機であるB-2と同じ数値になっています。

H-20に関しては2008年頃より開発が始まったとされ、公に2016年9月頃開発が発表されています。2017年にはH-20と考えられる機影が人工衛星で撮影されていました。そのため、近々初飛行するのではないか、などと話が以降出続けていたものの現時点もその様子は確認出来ていません。

H-20

中国では戦闘機開発は盛んに行われている一方で爆撃機についてはH-6という旧ソ連のT-16爆撃機を改装したものが未だに運用されています。近年はH-20をはじめH-18という中距離爆撃機の開発も噂されています。