X-57

翼全体にずらりと並んだ動力。これはNASAが研究を進めているXプレーンの一つX-57 マックスウェルという機体で、分散型電気推進システムという新しい技術を導入した機体のテスト飛行を今後実施すると報じられています。

ロシアの軍事系ニュースサイトによると、アメリカ航空宇宙局(NASA)が開発を続けている分散型電気推進システムを搭載した電動航空機 X-57ついて歴史的な初飛行に向けてその準備作業が進められていると報じています。

В НАСА испытали складывающиеся пропеллеры для электросамолета
Progress on X-57 Cruise Motors and Wing | NASA

X-57の地上試験がまだ実施されていない段階になるのですが、搭載された14基のプロペラのうち外側の2基を除く12基はプロペラが折りたたむ構造になっており、今月上旬あたりに折りたたみプロペラの試験テストに成功していたといいます。

▼小モーターのプロペラ折りたたみ構造


X-57のベースなった機体はイタリアの4人乗り軽飛行機TecnamP2006Tで、搭載されていた2つのエンジンを取っ払い、翼もNASAが開発したものに置き換えられ14の電動モーターを搭載しました。従来この手の航空機には大型のエンジンが1基または2基、大型の旅客機でも2~4基搭載しているのですが、NASAは小型の動力を複数搭載したほうが高効率であるという概念から分散型電気推進システムを長年テストしており、ようやく地上試験を実施するまで研究・開発が進んだということになります。

▼2020年6月に撮影されたX-57
X-57_1


▼同じサイズのモーターを18発搭載していた過去の研究


過去の研究ではいづれも同じサイズの小型の動力を複数搭載していたものの、その後、両端に大きな動力を搭載し水平飛行時はこの2基の動力を使い飛行します。一方、離着陸の低速飛行時には14基全ての動力を使うことになっています。

ただ、この機体が仮に優れた特性があったとしてその経済性が実際の運用ではどの程度の差になるのかは疑問があります。14基搭載する必要があるため機体の導入コストの問題、そして14基あるためメンテナンナンスの問題も避けて通ることはできないと考えられます。またプロペラを折り畳んだとしても空気抵抗が発生するため従来の機体と比べどれだけ飛行距離を伸ばせるのかも研究が行われることになると考えられます。
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