人間が原因で擬態を見つけた植物

自然環境に溶け込むように体の色をしている動植物。身近なスズメでさえも上から見れば田畑の色、お腹側は白く空に溶け込む擬態をしているのですが、一方中国で見つかった植物に関して人間の目を誤魔化すように擬態を見つけた例が方向されているそうです。

Phys.orgによると、昆明植物研究所(中国科学院)およびイギリス・エクセター大学の共同研究によると中国西部に位置する雲南省の山に生息する『Fritillaria delavayi』という植物に関して、生息する岩肌の環境に合わせて自ら色を変えている可能性が示唆する研究内容が報告されたと報じています。

Plant evolves to become less visible to humans

記事によると、これら植物を研究するにあたって、収穫した人にどこで色ごとに「どこで収穫されたのかな」ど詳しく聞き取りを行い、また収穫が難しかったのかなどを合わせて聞き取り測定する研究を行ったとのこと。

人間が原因で擬態を見つけた植物-2

結果、本来の緑色をしていた個体は人が立ち入ることが難しい急斜面に多く生息している一方、黒茶色の色をする個体は比較的収穫しやすいところに生えていたことが分かったとしています。

これら集められたデータからコンピューターでシミュレーションを行った結果、擬態している個体は私達人間が収穫することが難しい傾向が示されたとしています。

人間が原因で擬態を見つけた植物-1

Fritillaria delavayiは若い年齢では葉が灰色から茶色や緑色に変化する多年生植物だといい、5年目で1本の花を咲かせるとのこと。中国ではこの植物の球根が2000年以上も漢方薬として用いられており、近年価格が高騰しており収穫量が増えています。

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記事によると、草食動物から食べられることを防ぐため擬態を進化させたのではないかと当初考えていたもののこの地には植物を食べる草食動物が人間以外いないとのこと。つまりこの植物は動物ではなく人間が長年取り続けたことで進化した可能性が高いと主張しています。