アレシボ天文台_破損_1

長らく世界最大の電波望遠鏡として宇宙関連の番組でも多々姿を見せていたアレシボ天文台に関して、運用を終了することになったと報じられていました。同天文台はケーブル損傷により反射面が損傷し状態になっていました。

海外の複数メディアによると、運用終了となるのはプエルトリコのアレシボにあるアレシボ天文台です。直径は305mあり、地面に固定された状態となっているものの巨大な反射面を利用し、誕生から半世紀にわたって天文学から気象学に大きな功績を残していました。

NSF begins planning for decommissioning of Arecibo Observatory’s 305-meter telescope due to safety concerns | NSF - National Science Foundation

一方、アレシボ天文台は2020年8月10日、反射面の上にある副鏡を支える金属製のワイヤーが切れる事故があり反射面に衝突。衝撃で30mほど穴ができ運用できない状態が続いていました。

同天文台は1963年に建設されアメリカ国立科学財団(NSF)による支援のもと、国立天文学電離層センターとしてSRIインターナショナル、宇宙研究大学連合、プエルトリコ・メトロポリタン大学が運用していました。
以降、電波望遠鏡としては『世界最大』として、長らく宇宙・気象学を支え続けていました。ときには月に反射したソ連のなど海外の電波を受信するため運用が行われた以外も、最近ではSETIという電波を用いた地球外知的生命体探査活動にも運用されていました。

しかし、巨大であるため維持費も高額であり2007年以降はハッブル宇宙望遠鏡が打ち上げられたことや様々な観測技術が向上したことでこの時退役する噂が出始めました。結局、様々な大学や機関が資金を拠出することで閉鎖は免れたものの今年8月の事故で反射鏡が大きく損傷することとなり、結果的に幕引きとなる形となりました。

アレシボ天文台_破損

ケーブルが切断した原因は明らかになっていないものの、切断した2本のうち一本は建設当時から使用されていたといい、その強度は定格の6割ほどに低下していたとされています。そしてもう一本は1990年代に張られたものでこちら構造強化のために設置されたものだったとしています。

また切断しなかった他のケーブルを点検したところ断線が発生しているなど明らかな老朽化が確認されたとしています。

厳しい運用面の資金、さらに高額と考えられる十分なメンテナンスが行われなかったことで破損したというところになると考えられるのですが、仮にケーブルの不具合が見つかっていたとしてもその修理費を捻出することができたのかは未知数であり、アレシボ天文台は遅かれ早かれ運用終了という道を辿っていたものと考えれます。
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