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韓国メディアによると、完成予定の大規模な建築物に対して検査を実施した結果およそ半数の建物で消防設備を正しく設置していないなど不正が相次いで見つかったと報じられています。合わせて無許可の業者が消防設備を設置していたなど33もの業者が摘発されました。

ハンギョレ新聞によると今月3日、京畿道特別司法警察団は今年7月から10月まで3ヶ月間に完成許可を出した大規模な建物33箇所に対して消防法を適切に守っているのか調査を行った結果、うち17の施設で消防設備を正しく設置していないケース、またはその多くで虚偽の消防管理結果報告書を提出していたとして発表したと報じています。

스프링클러 없는 신축 10층도 “이상무”…소방감리 부실 여전 : 수도권 : 전국 : 뉴스 : 한겨레

記事によると、今回見つかった事例では大型の新築建物でスプリンクラーを設置に関して「異常なし」という虚偽の消防管理結果報告書が業者により作成した事例が代表的だったとしています。

具体的には地上41階、地下4階の規模複合ビルでは火災避難を知らせる緊急放送のスピーカーを20個設置しておらず、17階には設置しなければならない無線通信補助設備のアンテナも設置されていませんでした。しかし報告書には「異常なし」と正しく設置されていると判定を受けていたとのこと。
また別のケースでは地上10階規模で竣工を控えた建物では消火に必要な消化器962個が未設置、スプリンクラーも67個未設置だったことがわかったとしています。


なぜ偽の消防管理結果報告書が次々と出てきたのか。記事を要約すると最大の理由は「当局の現場調査が適切に行われていないためだ」と当然のことが記載されています。消防当局は延べ面積1万㎡以上の建物の現場をチェックしなければならないものの、現場を見て回る職員(消防当局ということで公務員になると考えられる)が少なく、工事業者が別の業者に消防管理結果報告書の作成を依頼するものの設置されていない消火設備を設置したと偽装し、消防当局も現場を見ず偽装されたレポートに目を通すだけして許可を出しているという致命的とも言える問題が記載されています。

記事によると、今回の問題で虚偽の管理結果報告書を作成し提出していた業者8つが摘発されてました。また消防設備不良施工業者11社、無免許で消防工事をしていた8つの業者、消防工事を不正に下請けした4つの業者、及び重要消防設備をブロックしていたという業者2社も合わせて摘発されたとのこと。

摘発されたのは韓国全域ではなくソウル市周辺の京畿道の地域のみで、この地域では過去3年間に大型建築物での火災が1252件発生しており113人が死亡していると記載されています。