スターシップ SN8

アメリカの民間宇宙開発企業『スペースX』は、運用を目指し開発を続けている超大型宇宙船、スターシップの8番目のプロトタイプに関して初めて高度12kmに到達する試験飛行を行ったものの、垂直着陸に失敗し爆発しました。

日本時間2020年12月10日午前7時45分、アメリカ テキサス州南部で試験されたのはスペースXが開発を進めいてる最新の宇宙船『スターシップ』のプロトタイプ8号機です(SN8)。SN8はプロトタイプとしてははじめて高度10km以上に上昇させ、その後再び発射場付近に着陸するという技術的にもかなり難しい動作を確認するため製造されたものになります。

今回の打ち上げではSN8は一般的な旅客機が飛行する高度よりも若干高い高度12.5kmまで上昇。3つのエンジンとスラスターで姿勢制御を行いつつエンジンを停止。上空で機体をほぼ水平にし落下速度を減速。さらにエンジンを再点火し姿勢を戻し垂直で着陸するという、これまでどのロケットも行っていない極めて複雑な動作が行われました。



スターシップ試験機 SN8には3基のラプターエンジンを搭載。映像では打ち上げから1分40秒後に1基を停止。さらに3分13秒後に2機目を停止。続けて4分40秒後に3基目を停止。

▼垂直から水平状態で落下に入るSN8
スターシップ SN8_1

その後ロケット先端からスラスターを動作させ姿勢を水平状態にし落下。安定した状態で高度を下げ、打ち上げから6分30秒後にエンジンを再点火。エンジンの推力偏向を使用し急激に姿勢を打ち上げ時の垂直状態に戻し着陸体勢にはいったものの減速が間に合わずエンジンを下にした状態で『綺麗』に衝突。爆発しました。

▼水平から垂直状態に戻るSN8
スターシップ SN8_2

今回の試験、特に着陸前のエンジン動作について見ると、自由落下状態からの再点火では2つのエンジンが動作しているものの、地上付近ではもう一つを停止し1基のみ燃焼させた状態で着陸に入っています。ただスローで見た感じでも全く減速することはできませんでした。

スペースXによると今回の試験は着陸そのものは失敗したもののCEOイーロン・マスク氏は肯定的に受け止めており、スペースXのチームに対して「よくやった」というコメントを発しています。また失敗の原因については「着陸時に燃料タンクの圧力低く、着陸速度が速くなった」と発表しています。
また過去の試験機には搭載されていなかった装置が複数搭載されているものの全てが正常動作していたとしており制御面については満足いく結果だったとしています。



スペースXが開発しているスターシップは6つのラプターエンジンを搭載する宇宙船で、更にスーパーヘビーという30基のラプターエンジンを搭載するロケットになる予定です。このロケットは2020年代にも運用を目指し、宇宙空間に大量の物資を打ち上げることができる以外も月や火星といった深宇宙にこれまで不可能だった重量物を投入することができるようになるとされています。
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