毛沢東語録と紅衛兵

中国で1966年に出版された「毛沢東語録」。紅衛兵と赤い語録の映像や写真は有名ですが、この改訂版を出版するという計画が中国で持ち上がっているたといいます。

毛沢東誕生120年を迎える今年の12月26日に合わせ、毛沢東を支持する軍関係の研究者らが毛沢東語録の改訂版の販売を計画しているとされています。この動きについて国営の新華社は1日午後、「関連部門に確認したところ、インターネットで言われている『新版・毛主席語録が年内にも出版される』との情報は、全くのデマと分かった」と報じました。

この背景として貧富の格差拡大などへの不満から、貧しくても平等だった毛時代のほうが良かったなどとする保守派(左派)が増加しているという中国。尖閣諸島国有化後の反日デモでも何故か毛沢東を支持する内容のプラカードを掲げた人間が登場するなど、個々最近保守派の間で支持を広げているとみられています。

これまで出た情報によると、中国軍のシンクタンク、軍事科学院の陳宇研究員ら約20人により、24万字・12万字・6万字からなる3種類を発行し、最高2千元(約3万2千円)で販売する予定だったといいます。しかし、見出しにも書かれているように、この情報はデマだったと報じられています。
中国当局としては毛沢東への個人崇拝がいずれ習近平指導部への批判に発展することを恐れ、当局が何らかの圧力をかけ阻止に乗り出したと見方が強いとのことです。

毛沢東語録

毛沢東語録

毛沢東語録とは1966年3月から出版され『毛主席語録』とし自身の著作などから引用、編集された語録集になっています。中国共産党の党軍である人民解放軍向けに編集を命じて刊行されたもので、文化大革命(文革)後にの1966年には一般向けの出版が開始されました。毛沢東の死後は「悪影響を及ぼす」として出版停止となり、現在に至ります。

1966年から毛沢東が死亡するまでの『毛主席語録』の発行部数は50億冊以上とされています。

参考:産経新聞,Wikipedia