ほ座の超新星爆発

身の回りにある鉄や銅、主に貴金属として扱われることが多い金。これら重元素のそのほとんどは今から100億年前につくられたことが日本のX線天文衛星「すざく」により明らかになりました。

鉄より重い元素は超新星爆発と共に生成されますが、これほど大量に存在する鉄及び重元素が誕生したのはいったいつなのか。その答えとなる発見がJAXA及び、スタンフォ―ド大学の研究者により明らかになりました。

これはX線天文衛星「すざく」を用いた観測によるもので、現在宇宙に存在するほとんどの重元素の起源は100億年前にあることを突き止めました。研究者によると、「くずさ」を用いてペルセウス座銀河団における鉄の分布を調査しました。その結果、鉄はほぼ均等にバラついていたことが明らかになりました。

ペルセウス座銀河団
▲ペルセウス座銀河団
地球から2億2200万光年離れた位置にある銀河団。銀河団にはこれまで190個の銀河が発見されている。

これはペルセウス座銀河団のサイズである1000万光年にも及ぶ広い範囲で鉄の割合がほぼ均等であることから、鉄のほとんどは銀河団が形成された時代よりも前に、宇宙に広がりよく混ざっていたと考えられるとのことです。
銀河団の誕生は宇宙誕生から約40億年後(今から100億年前)に、鉄などの重元素が星々から大量にまき散らされ、宇宙中に拡散した時代があったというこということになり、現在の宇宙に広がるほとんどの重元素はその時代にまき散らされたものと結論づけました。

今回の研究結果について観測プロジェクト提案者の一人で共著者のJAXAインターナショナルトップヤングフェローシップ、オーロラ・シミオネスク氏は「我々の起源はとても古かったわけです。皆さんの血液にも含まれる鉄の中には、遥かな昔100億年も前に、100万光年の彼方で作られ、宇宙を旅して来たものも含まれていることになります。」と話しています。

重元素をばら撒いたのはブラックホール

宇宙ジェット
▲PKS 0637-752から放出される宇宙ジェット。60億年前に形成されクエーサーでジェットの長さは天の川銀河の20倍以上、200万光年を超える。PKS 0637-752は超大質量ブラックホールを持つ初期の銀河と考えられている。クエーサー(左下)自体は太陽の実に10兆倍の明るさで輝いている。
星々の誕生と同時期に銀河の中心にあるような超大質量ブラックホールも共に作られていきました。これら巨大なブラックホールが発生させる強いジェットや風にのり大量の重元素が宇宙中に拡散したと考えられています。

データ解析に参加したスタンフォード大の大学院生、オンドレイ・ウルバン氏は「沢山の重元素が銀河から吐き出され上に、広大な銀河間空間でほとんど均一に混ざりあうほどに強い風が吹いたということは、この時代の星生成とブラックホール成長によるエネルギー解放がいかに莫大であったかを示しています。」とコメントしています。

参考:JAXA
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