Kepler-78b

見るからに熱そうなこちらの天体。先日Kepler-78bという惑星が見つかったと報じられていましたが、実は理論上存在し得ない天体だと言われているそうです。

太陽よりも2割ほど小さい主星を中心に公転しているのは、地球より15%ほど大きいKepler-78bです。この天体は岩石を主体とした地球型惑星(岩石惑星)であることが分かっていたんですが、最新の研究により主星、つまり恒星のわずか100万マイル(160万km)の位置を8.5時間で公転していることが明らかになりました。

これは地球と月の4.2倍程度の距離しかなく、現在の惑星形成理論に基づいた場合、恒星との距離が近すぎるため、この位置においては惑星として形成することはできないつまり、存在し得ない天体になります。

▼Kepler-78bの公転軌道(想像)


具体的には、まず恒星は惑星系が形成された当時もっと大きかったと考えられており、そのサイズはKepler-78bの公転距離よりも外側にあったとしています。そのため、Kepler-78bは主星の内側で誕生したということを意味しています。

これについて、研究を行ったハーバード・スミソニアン天体物理学センター、Dimitar Sasselov氏によると「惑星が外側で形成された後で、内側に入り込んできたということも考えられない。なぜならばそいう状況が発生したとするとこの惑星は恒星に飛び込んでしまうことになるからとなる。つまり、この惑星の存在はエニグマなのです」と説明しています。

Sasselov氏によると、Kepler-78bの表面温度は3000度とされ、近く蒸発して消えてなくなる天体だとしています。