アポロ計画

月面地面に降り立ち直接サンプルを持ち帰ることが出来るようになった現在。民間における宇宙開発がここ数年、アメリカを中心に活発になっているのですが、ある条約が明確ではなく活動の妨げになっていると指摘する人もいるといいます。

 近い将来、“宇宙ホテル”の実現を目指す同社は、ネバダ州ノースラスベガスに拠点を置く。今年1月には、国際宇宙ステーション(ISS)の拡張型居住モジュール、「Bigelow Expandable Activity Module(BEAM)」を、2015年から2年間試験運用する契約をNASAと結んでいる。

 NASAは現在、停滞する有人宇宙探査の範囲をISSの軌道外へと拡大するプロジェクトを推進。69歳のビゲロー氏や宇宙船開発ベンチャー、スペースX社など民間企業は、これを機に宇宙の商業利用を推し進めようとNASA主導プロジェクトへの関与を深めている。

 同氏は、プロジェクト協力に対する見返りとして月の採掘権を要求。そのベースには、小惑星に豊富な希少金属が存在する可能性を指摘した調査結果がある。「月の所有権を明確にしなければならない時期が来ている」とビゲロー氏は主張する。

National Geographic
参考:拡張型居住モジュールBEAM



質量1.4t、全長4メートル、直径3メートル。2015年のファルコン9の8回目のISS輸送ミッションで打ち上げ同モジュールの打ち上げ、2年間の試験運用を行うとしています。

今月11月12日、NASAで行われてた説明会で民間企業ビゲロー・エアロスペース社の社長ロバート・ビゲロー氏が、“月の採掘権”を連邦航空局(FAA)に要求したと発表しました。

上記にも書かれているように『見返り』として採掘権を要求しているのですが、一方FAAは米国内のロケット打ち上げや軌道上からの大気圏再突入に関する規定が存在するのみで、地球以外の天体についての土地の利用に対する規則はなく、民間企業による宇宙開発の促進を目的とした商業宇宙活動法(Commercial Space Act)にも、月での採掘活動について何も言及されていないといいます。

これは国際的な宇宙法の基礎となる宇宙条約に国家が月や他の惑星の領土権を主張することが禁じられているためです。
宇宙条約

月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約(宇宙条約)は1967年10月10日に発効し、宇宙空間における自由な探査や利用、領有の禁止などを定めた条約です。

宇宙条約は17条からなり、第1条では『天体を含む宇宙空間の探査および利用は「すべての国の利益のために」「国際法に従って」全人類が自由に行うことができる』、2条では『天体を含む宇宙空間に対しては、いずれの国家も領有権を主張することはできない』と規定されています。JAXAWikipedia

これについてビゲロー氏は「月の所有権を明確にしなければならない時期が来ている」「月の所有権が不明確な状態ではだれも投資しないし、危険な事態を招きかねない」と主張しています。
また宇宙法の専門家というバージニア州スプリングフィールドにあるMobius Legal Groupに所属するジェームズ・ダンスタン氏によると、月での採掘作業には法律的な障害が多いとしたうえで、月の資源の所有権譲渡は宇宙条約の網を払いのけないと現実化しないだろうと話しています。