宇宙野菜

現在NASAが研究を進めているプロジェクトとして、宇宙で野菜を栽培するという「VEGGIE」があります。今後、宇宙での「食」が大きく変わるかもしれないこのプロジェクトについて紹介していきます。

 国際宇宙ステーションで生活する宇宙飛行士に食料を届けるための高いコストに頭を痛めていたNASAは、宇宙で食物を生産することでこれを解決しようとしています。NASAが研究中の宇宙野菜栽培プロジェクト「VEGGIE」とはどのようなものでしょうか。

 宇宙旅行を実現させるために最も難しい問題は食料の確保だと言われています。当然地球から食料を持ち込むことになりますが、このコストは非常に高く、国際宇宙ステーションプロジェクトに参加するハワード・レヴァイン博士によると、国際宇宙ステーションに食料を運ぶ場合1ポンド(約450g)あたり1万ドル(約100万円)かかるそうです。また、NASAのジョイア・マッサ博士は「ごく一部の生鮮品は宇宙に到着するとすぐに宇宙飛行士によって食べ尽くされてしまいます」と話します。このような宇宙への食料移送の問題を解決しようと、NASAでは宇宙で野菜を栽培するプロジェクト「VEGGIE」が進行中です。

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宇宙に行ってまで何故野菜を育てる必要があるのかというと不思議に聞こえますが、食料確保という以外でも様々な利点があるといいます。

今回、宇宙栽培植物第一号として選ばれたのは「アウトレジャース」という品種のレタスです。このレタスが選ばれたのは短期間で収穫でき、加工を必要としないためです。その点から、サツマイモやジャガイモは難しく、小麦やイネに至っては論外となりました。今後採用される可能生の高い野菜としてはラディッシュや豆類、トマトとされています。

宇宙飛行士にとって野菜を育てるという作業は地味な内容なんですが、これまで行われた研究によると、野菜を育てることで宇宙飛行士のストレスを解消させる以外にも気分向上、気落ちの防止、社会性向上、肉体的・精神的疲労回復といった宇宙飛行士の心をケアする効果があることが確認されています。

今後地球軌道を離れ片道数百日という長期間のミッションが予定されていますが、野菜を育て食べるということは食料確保以外にも重用な役割を持って共に生活ことになるのかもしれません。