EFT-1

アメリカが国を上げて行う有人宇宙探査計画の中心になるこちらのオリオン宇宙船。来年9月には同宇宙船の運命を左右するかもしれない重用な試験が行われます。

NASA「オリオン宇宙船?ちゃうちゃう、多目的有人宇宙船“MPCV”や!これからMPCVと呼んで!!」と、わざわざ公式ツイッターの名前まで変更して言っていたのはいつの日か。最近再びオリオン宇宙船などとゾンビの如く生まれ変わった宇宙船が、来年打ち上げを行い地球に帰還させる計画です。

計画は来年、2014年9月に設定されているEFT-1(Exploration Flight Test)という宇宙船オリオンの無人試験飛行です。打ち上げは米空軍が運営しているケープカナベラル空軍基地第37複合発射施設Bで、“デルタIVヘビー”で打ち上げられることになりました。

▼ミッション概要
ミッションの概要

2014年のミッションはわずか地球を2周、時間にして4時間というフライト。ここではISSがある軌道高度の15倍の高さになる高度9000kmまで打ち上げられ高速で大気圏に再突入、帰還させデータを得ます。

NASAの有人探査部門のビル・ゲルステンマイアー氏はオリオン宇宙船について「極めて大きく進展した」と満足気。「乗組員や貨物の打ち上げが可能で、低周回軌道より高くに人を到達させることができ、太陽系全体にわたって探査を行う新たなミッションを可能にする柔軟なシステム」と説明しています。

ミッションの概要を紹介するCG映像


ちなみに、オリオン宇宙船は開発当初から「新たにロケットを開発する必要があるのか。デルタシリーズで打ち上げられるだろう」と指摘されていたものの、NASAは「そんなロケットよりアレスIのほうが2倍は安全だ!」などとよく分からない難癖をつけオリオン宇宙船を打ち上げるロケット『アレスI』の開発を進めました。しかし、思った以上にオリオン宇宙船が重たくアレスIでの打ち上げが困難になっていたことが判明。

アレスIの仕様を幾度と無く変更し、金と時間を費やしたもののアレスIを含むコンステレーション計画自体が中止に追い込まれました。 

▼アレスIの変遷の歴史
アレスIの変遷
 参考:AFPBBNews