スペースプレーン

低コストで完全再使用可能な機体。さらに1.8トンの重量を軌道に載せ、10日で10往復可能なスペースプレーン。これを「2018年までに作ってね」というのが知る人ぞ知るアメリカ国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)が発表した計画です。

 水平に滑空するスペースシャトルが2011年に退役、スペースプレーンの前途は暗転したように見えた。ところが最近、アメリカ政府や宇宙関連企業の開発意欲が再び活性化している。

 先進技術開発に力を注ぐアメリカ国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)は11月、1400万ドル(約14億3000万円)の賞金を引っさげて「XS-1スペースプレーン(XS-1 spaceplane)」計画を発表。打ち上げ1回あたり500万ドル(約5億1000万円)のコストで、最大1800キロの人工衛星を軌道に乗せるという。従来のロケット打ち上げのコストを10分の1程度に抑えるという、アグレッシブなプランを募った。

 打ち上げは2018年を予定している。 National Geographic
DARPAが目標とするスペースプレーンについてスミソニアン協会の国立航空宇宙博物館のロジャー・ラウニウス氏は「現実的に考えれば、翼が必要不可欠とは言えない。スペースシャトルしかりだ」とスペースプレーン案を否定する発言しています。

これはスペースシャトルが当初、1回の打ち上げ当たり1040万ドル(10億4000万円)で行えるとしていたものの、予想は大きくハズレ、全133回のミッションで1回あたりの打ち上げ平均は15億ドル(1500億円)の費用がかかっていたという点です。

それでもスペースプレーンが高く支持される理由について、支持者にはシンプルな意識が共通しているといいます。それはロケットとカプセルではなく、飛行機で宇宙に行くほうが「エレガントだ」というものです。


2018年まで残り5年。わずか5年で宇宙船を作り上げる企業がいくつあるのか考えると『出来レース』のようにも感じてしまうんですが、一般人が誰でも宇宙に行けるという夢の実現には、今回のスペースプレーン構想が重用な第一歩になるのかもしれません。