民家を直撃した残骸_1

中国が先日、無人月探査機を乗せたロケットが打ち上げを行いました。しかし、時を同じくしてロケットから分離された残骸が国内に撒き散らされ、民家を直撃するといういつもの出来事が報じられています。

今月2日、12月2日1時30分に中国の無人月探査機「嫦娥(じょうが)3号」を搭載した長征3号Bが打ち上げられました。打ち上げは、内陸部にある四川省の西昌衛星発射センターから行われたものの、飛行経路下の11に及ぶ県や村、700平方キロメートルに残骸が落下し、畑や建物などへの被害が報告されました。

湖南省南西部の邵陽市の集落では発射から9分後に「長征3号B」ロケットの一部とみられる鉄のかたまりが、木造民家2軒を直撃。寝室に落下したものの人はおらず人的被害は免れました。

住民は政府に対し保証を求めており、関係者の話として今回被害にあった住民らには最高で1万800元(約18万円)が支払われるとのことです。

民家を直撃した残骸_2

民家を直撃した残骸_3

民家を直撃した残骸_4


同様の出来事はこれまでも何度か報じられたことがあり、2012年4月には長征3号乙から分離されたと考えられるロケットの残骸が貴州省黔東南ミャオ族トン族自治州鎮遠県の街に落下しています。

残骸は爆発音と共に落下しており、目撃者が多くいたとされています。ある目撃者は「どんどん大きくなりながら、(残骸が)こちらに向かってきた」と話しており、落下後はロケット燃料として使用されている赤煙硝酸から赤い色の煙が発生。街を襲いました。

赤煙硝酸は人体に有害で眼、皮膚、粘膜を侵し、蒸気を吸入した場合は呼吸器障害を引き起こすため防護服が必要です。

▼2012年4月に落下した残骸
ロケットの残骸_1

ロケットの残骸_2

参考:Record China