よく群れをなして飛んでいる鳥がいますがあれはいったいどういう仲間なのか。イギリス、オックスフォード大学は日本にも生息しグループを作る鳥「シジュウカラ」を対象に調査を行ったところ、どうやら性格が関係していることがわかったとのことです。
イギリス、オックスフォード大学のエドワード・グレイ野外鳥類研究所の研究者たちは、オックスフォードのウィザムの森に生息するシジュウカラを対象に、動物の性格と社会行動の関連性を調査した。そもそも、鳥の性格をどのように判断したのか。今回調査の対象となったシジュウカラという野鳥を221羽集め1匹づつ行動を記録するという非常に手間のかかることから始まっています。
大規模な社会的ネットワークを持つ鳥類ほど、より多くの食糧を得られることは以前から知られている。群れを作る傾向が強いと、生き抜いていくうえで有利になるのだ。
今回の研究の目的は、次の仮説を検証することだったという。「慎重で“消極的”な性格の鳥は探索行動が遅いためリスクが低く、大胆で“積極的”な性格の鳥はリスクが高い分、得られる食糧も多い」。
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研究者によるとシジュウカラは「慎重な性格の個体は行動が非常に注意深く、木々を行き来して飛ぶ頻度も少ない。一方、大胆なシジュウカラは非常に活発に動き、飛ぶ動作も素早い」とのことです。
これら性格が判断された鳥はセンサーを付けられ後日野生に放たれました。その後冬季の数ヶ月に渡る調査で、慎重な性格に分類されたオスは比較的長期間、同じ性格の個体同士で群れる傾向があったことと、大胆な性格の個体は、複数の群れを転々としていたことがわかったといいます。
どうしてこのような違いがあるのか。以前行った研究で大胆な性格に分類された鳥は大規模な社会的ネットワークを形成する傾向を示し、より多くの情報が手に入れるため他のグループを転々としていることが分かっています。しかし、慎重な性格のオスは似た者同士で小さな群れを長く維持しており進化生物学上、どのようなメリットがあるのかは分からないとしています。
研究チームとしては「慎重なオスのシジュウカラは大胆なオスを避けるため小さな群れをなしているのではないか」と仮説を立てていいます。
Photo: 野原から