SkyCycle

最近、日本でも都会を中心に自転車通勤をされている方が増えているといいますが、問題になるのは歩行者との事故や、自転車同士の接触事故です。一方イギリスでは、鉄道の上に高架を設け自転車専用道路を作るという構想が発表されています。

高名な建築家であり、熱心な自転車乗りでもあるノーマン・フォスターが率いる設計事務所Foster + Partners社は、ロンドンの鉄道網の上を全長220kmにわたって走る、幅15mの自転車用高速道路「SkyCycle」計画を発表した。

同社によれば、1時間あたり12,000台が通過するこの道路には、出入り口のランプが120カ所ある。入り口から10分以内に住居または職場がある人は600万人近くだ。邪魔な自転車や信号がないため、通勤にかかる時間は最大29分の削減になる。

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鉄道の上に道路を建設する利点に付いてはスペースの有効活用の他にも、イギリスの鉄道はもともと蒸気機関車向けに作られており、勾配が最小限に抑えられており、自転車が苦手とする勾配も最小限に抑えられ、優しい道路になるとしています。

これまで自転車専用道路が建設された例はないのかという点について、デンマークでは2012年に道路と同じように自転車通勤用の道路が18km開通しています。また、高架道路についてはアメリカで既に実例があり、なんと今から100年以上前の1900年に全長2kmの木製自転車用構造物「カリフォルニア・サイクルウェイ」が建設されています。

▼カリフォルニア・サイクルウェイ
カリフォルニア・サイクルウェイ

カリフォルニア・サイクルウェイは2つのホテルを繋ぐという高架道路でロサンジェルスの商業地区を発展させる目的もあったとのことなんですが、結局利益が出ず数年後に解体。カリフォルニア・サイクルウェイの用地は現在パサデナ高速道路として利用されているといいます。

鉄道の上に道路を設けるという案についてコストはどのくらいになるのか、設計チームによるとスタンフォードとリヴァプール・ストリート駅を結ぶ約6.4kmのルートだけで建設費用は推定2億2,000万ポンド(約376億円)になるとのことです。