天然ガス発電所

新しい発電所はどのくらいCO2を削減できるのか。「Earth's Future」に掲載された新しい研究成果によると、アメリカで建設が進んでいる天然ガス発電により、1997年と比べCO2排出量が23%低くなっていることが分かったとのことです。(写真は日本の天然ガス発電所)

天然ガスを使った発電所や燃料からより多くのエネルギーを取り出すことができる新技術に基づく発電所は、従来型の火力発電所に比べて二酸化炭素排出量が少ないことがAmerican Geophysical Unionの機関誌「Earth's Future」に掲載された新しい研究成果によって明らかとなった。

調査の結果からいわゆる「複合サイクル(combined cycle)」方式の天然ガス発電所はまた、空気汚染物質となる窒素酸化物や二酸化硫黄の排出量も少ないことが判った。

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研究チームはまず1997~2012年の間の利用可能の全てのデータを収集、発電単位あたりの排出量を計算し発電所に種類ごとの平均排出量を求めました。 結果は以下のとおりでした。

・火力発電所の排出量は1KW/hあたり915グラム
・天然ガス発電所の排出量は1KW/hあたり549グラム
・複合サイクル方式の天然ガス発電所の排出量は1KW/hあたり436グラム


石炭ではなく、天然ガスという新方式の発電所にシフトにより米国全体における昨年度の発電単位あたりのCO2排出量は1997年比で23%減少されているとしています。また窒素酸化物や二酸化硫黄などの大気汚染物質の排出量削減に与えた影響はCO2削減量よりもより大きく、窒素酸化物や二酸化硫黄などの大気汚染物質の排出量は実に40~44%減少したことがわかったとのことです。

主要国の発電電力量と発電電力量に占める各電源の割合(参考:エネルギー白書2012)
主要国の発電電力量と発電電力量に占める各電源の割

アメリカにおける電源の割合は2009年のデータで石炭45.4%、天然ガス22.8%、原子力19.9%、水力6.6%となっています。この割合については国によって異なり、イギリス、イタリアでは45~51%が既に天然ガスによる発電が行われています。

参考:Technobahn