電話やメールなどなど様々な通信を傍受し批判を浴びた米国家安全保障局(NSA)なのですが、実はインターネットに繋がっていない、オフラインのPCからも情報を収集していたこと報じられています。

15日付の米紙ニューヨーク・タイムズによると、米国家安全保障局(National Security Agency、NSA)は標的となるコンピュータがネットに繋がっていないオフラインの状態でも情報収集できるよう特殊なソフトとハードウェアを開発していた報じています。

記事によると、NSAは遅くとも2008年から「クアンタム(Quantum)」のコードネームで呼ばれる計画で、世界各地のコンピューター10万台にソフトを無断でインストール。サイバー攻撃の際の「デジタルハイウエー」として利用していたといいます。

また、この計画ではパソコンの基板に無線LANのような特殊なハードウェアを組み込み、ある特定の周波数でりNSA側にデータを送受信できる状態にしていたとのことです。

この特殊なハードウェアは工作員や製造者、またはそれが何であるかを知らないユーザーにより設置される場合が大半だとし、一方でNSA側はサイバー攻撃に対して堅牢なコンピューターへの侵入を可能とする点で、米情報機関にとっての重要課題の解決に貢献していただとろうとしています。

NSA

NSAによると、1日に集めていた個人のデータは『29.21ペタバイト』とし、世界のインターネットでやり取りされる1,826ペタバイトに比べると1.6%にしか過ぎず、またその中からNSAが監視する量は0.025%になる量だと主張しています。

これは世界のデータトラフィックの0.0004%であり、「世界のトラフィックをバスケットコート(15×28メートル)に例えるなら、NSAが収集するデータは10セント硬貨(直径約18ミリ)程度になる」と説明しています。ただし、これらの通信量は2.77テラバイト/秒になる計算で、アメリカ以外でやりとりされる全世界のトラフィック量をも上回る数値になります。

また、NSAはアメリカ本土に大規模なデータセンターを建設しており、そこに設けられる記憶装置の総容量は5ゼタバイト、約5,000,000,000テラバイトなると噂されています。

参考:AFPBBNEWS