U-2 top

極限にまで軽量化し高高度を飛行する米軍のU-2という偵察機があります。この軽量化は車輪にまでおよび、離陸後両翼に備わっている補助輪を切り捨てるという方法がとられています。では着陸はどのように行うのでしょうか。

上空25kmと通常のジェット機では到達不可能な敵対国上空を付近を飛行するという任務を行っているU-2。U-2は高高度性能を活かし要撃戦闘機による攻撃を振り切るという運用方法がとられているのですが、切り詰めた軽量化により、見出しにも書いたように胴体に備わっている車輪以外は離陸後切り離すという、特徴のある航空機となっています。

U-2

こちらはNASAが運用している研究用のU-2(ER-2)。離陸後間もない写真なのですが、両翼の補助輪は切り離され胴体のみの車輪だけとなっています。



こちらがU-2の離着陸を撮影した映像です。離陸時は加速して数秒後に補助輪が切り離されています。

動画では3分30秒あたりから着陸が行われています。U-2は車輪が中央しかなく『弥次郎兵衛』状態の着陸になるのですが、最終的には地面に片翼を接触させ停止するという方法(グライダーと同じ)がとられています。撮影している車は、早い段階で地面に翼が接触しないようU-2のパイロットに指示を出しているものになります。



この不安定な着陸方法から過去に何度か失敗した映像が撮影されています。

敵地の情報収集という任務に使用されるU-2。人工衛星では得られない情報をもたらす有力な情報収集手段として現在も運用されているとのことです。