再使用型ファルコン9_1

宇宙輸送業務を行っているアメリカの民間企業は、自社が開発したファルコン9ロケットについて、ロケットの各ステージをすべて回収し再利用する次世代型ファルコン9のコンセプトイメージを公開しました。

宇宙輸送(商業軌道輸送サービス)を業務としているスペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ、通称スペースXは打ち上げコストを大幅に抑えることを目標にしている再利用型ファルコン9。

今回はじめて公開されたコンセプトでは、アルミニウムハニカムを有する炭素繊維から作られた4本の足が備え付けられています。これは第一弾が切り離され再び発射場に帰還するという再利用を目的としており、垂直着陸する際に展開されます。

再利用型ファルコン9 コンセプト

再使用型ファルコン9


着陸脚
LANDING LEGS

再利用型ファルコン9は1段目、2段目などすべてのステージを回収し再利用することを目標としており、これが実現できれば打ち上げコストを大幅に抑えることができると主張しています。

スペースXのCEO、イーロン・マスク氏によると再利用型ファルコン9の構想について旅客機を挙げて説明しています。例えばボーイング747型機であればわずか数千ドルで大西洋、太平洋を飛行できるのは機体が再利用できているためだとし、もし機体が再利用できない使い捨てであれば、500人載せたとしても1人当たりの飛行料金は40万ドルになるとしています。

イーロン・マスク氏によると、この使い捨ての状況が現在のロケットであるとし、ロケットを完全再利用することができるとした場合、1億ドル(約100億円)かかる1回の打ち上げが、単純に燃料だけと考えると数万から数十万ドル(数百万円~数千万円)に抑えることができるとしてます。

スペースXはこれまで原寸大の実験機を用いた垂直離着陸ロケットの離着陸試験をおこなっているものの、構想が実現するかどうかは「はっきり言って判らない」と話しています。

スペースXが運用しているファルコン9の打ち上げ能力は日本のH2Aロケットに匹敵し、2015年には国際宇宙ステーションに向けて有人宇宙船ドラゴンの運用が予定されています。

スペースXの再利用型ファルコンの運用イメージ


参考:BusinessNewsline