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ドイツメディアによると、ドイツ基地にアメリカが開発している航空機搭載型の核兵器『M61 Mod 12(B61-12)』を国内の空軍基地に配備する計画があると報じているそうです。

ロシアメディア『Sputnik』によるとドイツのテレビ局ZDFが伝えた内容として、ドイツ ラインラント=プファルツ州ブリューヘル近郊の空軍基地にアメリカが開発中の核兵器20発を配備する計画を報じています。

米国によるドイツ領内への核兵器配備に伴う若干の奇妙な話

記事によると、配備されるいう核兵器はアメリカで開発中の空中投下型の核兵器「B61-12(参考)」で、ドイツ戦闘機でも運用できるよう核兵器の改修のため100億ドル(1.2兆円)を拠出するとしています。またドイツの新聞によるとこの核兵器の配備計画についてはあくまで有事の際に配備される(つまりアメリカからドイツに運び込まれる)としており、常時配備されるものではないともしています。


ドイツは北大西洋条約機構(NATO)の核抑止における政策の1つであるニュークリア・シェアリングを受けています。ニュークリア・シェアリングとは文字通り「核兵器の共有」というもので同じくNATO加盟国のベルギー、イタリア、オランダがアメリカ製核兵器を自国領土内に備蓄しています

ドイツではルクセンブルクに近い空軍基地に20発の航空機搭載型核兵器『B61』を備蓄しており、有事の際はドイツ空軍第33戦闘爆撃戦航空団がトーネード IDS攻撃機により運用されます。ただ、この核兵器は自国内で使用するという前提で備蓄されているもので、核兵器自体もアメリカ軍の兵士により防衛されており必要な暗号コードもアメリカのコントロール下にあることから配備国が単独で判断し使用することはできません。

B61

B61は1960年代に開発された核兵器でB61-12はその中でも開発中の最新モデルでアメリカが開発した大半の戦闘機・爆撃機で搭載・運用が可能です。爆発威力を調整できる威力可変型核兵器となっており核出力は0.3-340キロトン(広島型原爆換算で0.3~22.6倍)となっています。

このモデルについては2012年のB61の延命計画として日本円で1兆円を越える予算が当てられており、F-35など最新の航空機でも運用できるよう改修が行われました。

米国家核安全保障局は今年7月に行われたB61-12(模擬弾)の投下試験を終え「B61-12の最初の飛行試験が成功したことで、B61に関して米国が一貫して献身的に作業を行っていることが示され、パートナーたちも安心するだろう」とコメントをしていました。