ゴミ

都市部であってもゴミが分別されずごちゃまぜ状態の中国。一体なぜなのか。今回は関連する中国共産党機関紙の内容を紹介していきます。

2014年2月28日、北京市の非居住者のごみ処理費は前年の1トンあたり25元から300元へと拡大し、市場化の手段を使ってごみの分類・減量を推進したいと考える政府管理部門の決意を表すものとなっている。人民網が伝えた。

1990年代から早くも中国の多くの都市ではごみの分類収集を開始した。1993年に北京市は率先して「都市景観環境衛生条例」を制定し、「都市の生活廃棄物の段階的な分類収集」を始めた。2000年には北京市、上海市、広州市、深セン市、杭州市など8都市が第1期の全国生活ごみ分類試行都市に選ばれている。

Record China
日本ではゴミ処理場やゴミ焼却場の性能によりゴミの分類が変わると言われています。中国でもゴミの分類が行われ、上記のように特に都市部では1993年以後「都市景観環境衛生条例」を設け分類が始まったといいます。

それから20年が経過した現在どうなっているのか。人民網によると、北京市で最も賑やかなCBD国貿エリアに設置されているゴミの分類箱には紙やペットボトル、プラスチックトレー、生ごみが一所に捨てられている状態だといいます。一体なぜなのか。

中国政府は20年あまり巨費を投じ住民に対し資源化と再利用を指導し、また処理施設を建設してきました。これとは裏腹に住民にゴミの分類が受け入れず、非常に初歩的な分類も行えず試行の状態が続いているといいます。再生センターでは、2010年に操業が開始したものの十分なゴミが集まらず10あるラインの内、稼働しているのはわずか2つのラインだけだといいます。

人民網はゴミの分別について『住民の資質の問題なのか、それともごみ処理費が安すぎるのか。政府の監督力不足か、産業チェーンのアンバランスなのだろうか』などと締めくくっているそうなのですが、残念ながらその全てに問題があると言わざるを得ない状態です。

他の人が分別しないのだから…

2013年3月に中国メディア生命時報が「ゴミの分別」について住民に聞き取りを行った所、「どうやって分別したらいいのか分からない」「他の人が分別しないのだから、私だけがしても無駄」「みんな直接捨てているでしょ?」という声が多くあったといいます。

ちなみに2010年の段階で、人口1700万人を有する北京市で1日の出されるゴミの量は1万8000トン。その内リサイクされるゴミは4%、焼却される量は2%で残りの全ては埋め立てられます。北京市周辺には33万ヘクタールを超える設けられているゴミ埋立場があるものの、同時に発生する臭に対し芳香剤噴霧器100台が設置され悪臭を解消しているといいます。