
時代を先取りしたがゆえに消えていった商品や、革新的な機能を搭載したもののバグだらけというのがありますよね。実はこの流れが繰り返されるという研究結果が報告されています。
University of British Columbiaによる新しい研究成果により、企業経営者は新技術を早く導入しなくてはならないという強い盲信に駆られる傾向があり、この傾向のため、時として革新的な技術を導入した製品は致命的な失敗に帰結する場合があることが判った。この研究はカナダのブリティッシュコロンビア大学が明らかにしたものなのですが、みなさんも何となく感じていたことではないでしょうか。研究では現在はボーイング社に合併されたマクドネル・ダグラスの旅客機DC-10とロッキード(現ロッキード・マーティン)のL-1011という非常に似た形状と性能の両機を比較しています。
Sauder School of BusinessのMarc-David L. Seidel とProfessor Henrich R. Greveのこの新しい研究成果は、例え、航空機といった非常に複雑な製品開発で、革新的な技術を導入することは他社に対する競争優位に立つ上では必要条件ではない場合にあっても企業経営者は、革新的技術を追求しなければならないという傾向が強くみられることを示唆している。
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L-1011は部品調達を理由にDC-10よりも開発、納入に1年遅れたことで売れた機数が倍近く開くという結果になってしまいました。しかし、売れたDC-10は機体に欠陥があり航空事故を繰り返した挙句600人以上が死亡。同機は運行停止を一時言い渡されたことにより、その後の販売に致命的な打撃を与えたとされています。
研究論文では旅客機のように「革新的技術を導入した製品開発が失敗に帰結する歴史は繰り返される可能性がある」と述べられており、「革新的な技術に飛びつくことは必ずしも成功につながるとは言い切れない」とまとめられているとのことです。
なんと表現すればいいのか難しいところがありますが、革新的な商品が登場したとしても「初期ロットの出荷は避ける」「他の人のレビューまち」と判断する方もいますよね。この判断といのは少なくとも間違ってはないというのは今回の研究から言えるのではないでしょうか。