立方体高圧保管容器

コンテナのように液化天然ガスを輸送できる立方体型高圧保管容器の開発に韓国の研究開発チームKAISTは正解で初めて開発することに成功したと報じています。

シェールガスの採掘が積極的に行われるようになり、より安く天然ガスが海外に輸出されるようになりました。しかし、シェールガスであっても大量のガスを運ぶには海運で、一度液化し運ぶという段取りに原油とはことなるコストがかかることが問題視されていました。

従来、内圧の関係で薬カプセルのような円錐か球体の形状が取られていたものの、大型の円錐は技術面で製造が難しく、形状から無駄なスペースが生まれ輸送効率の低下が指摘されていました。
KAISTの研究開発チームは、韓国最大の製鉄メーカーのPOSCOの協力の元、高圧保管容器を立方体成型に成功。コンテナ輸送船を改造することでLPG、CNG、LNGを無駄なく積載することが可能だと主張しています。

立方体型高圧保管容器
KAISTによると開発した立方体型高圧保管容器は圧力を維持する格子型構造になっており、輸送船のサイズに応じ変化させることが可能だとしています。また、一定の内壁の厚さを保ったまま、圧力容器のサイズをアップスケールすることができるとし、製造コストについても安く抑えられるとしています。

具体的には今回開発された高圧タンクは、同じ量のLNGを保存する場合、既存の円筒形の高圧タンクに比べて約40%少ないスペースで済むとしています。超大型コンテナ輸送船のLNG燃料タンクでは、約900個のコンテナを追加で積載することができ、1隻当たり年間90億ウォンの輸送の利益が得られるとしています。

参考:KAIST,ScienceNewsline