ガリー_1

火星探査機で撮影された写真の中には山肌には何かが流れて出来た溝が確認できます。地球で見られる水による侵食と同じように見えるのですが、火星の場合はちょっと異なるそうです。

火星のクレーター壁の斜面に、新たなガリー(gully、溝状の地形)が出現した。

2010年11月の画像には写っていないが、2013年5月の画像では確認できる。地球上で見られる同様の地形は水の流れでできたものだが、火星ではそうではなさそうだ。この小さな峡谷がどのようにして形成されたのかは、いまのところ分かっていない。

この曲線を描くガリーは、火星のシレーン陸地(Terra Sirenum)と呼ばれる地帯のクレーターに見つかったもので、すでにある帯状のチャネル(川床のような地形)から新たに伸びたように見える。

WIRED.jp
ガリー_2

このような溝はガリーとよばれており、火星軌道を周回しているマーズ・リコネッサンス・オービターなど探査機により幾つも発見されています。 探査機の調査でガリーはクレーターやかつての火山活動で発生した山肌で斜面、さらに火星の南半球で比較的多く発見されています。

ではこのガリー、一体どのように作られているのでしょうか。 NASAによると、表面に液体の水は存在しておらず、地球のように水によって出来たとは考えられていません。かわりに、ドライアイスが斜面を滑り落ちこのような溝が発生したのではないかと考えられています。



こちらが地球上でドライアイスを滑らせた映像です。今回発表された写真は水が流れたような痕になっていますが、火星では一定の幅を維持し、最尾部が扇状にならないという特徴があります。

これは何れもドライアイスが滑り落ちたものであり、これまでの調査でガリーが生じる斜面は冬季に二酸化炭素の霜で覆われ春先に塊のようなものが形成されているものを発見しています。つまり、冷凍庫の霜のようにどんどん大きくなり、限界に達した所で崩れこのような痕を残したということのようです。

▼火星でみられるガリー
ガリー