金星

夜空に明るく輝く金星は厚い大気に覆われ地表面を直接観測することはできません。しかし、金星を観測するカメラで大気中に浮き出た浮遊物を調べた所、活火山によるものだということがわかったとしています。

ヒューストンで開かれた月惑星科学会議でロシアの研究チームが金星で現在も火山活動が続いているとう証拠を初めて発表しました。

マックスプランク・ソーラーシステム研究所による研究成果で金星探査機ヴィーナス・エクスプレスに搭載されている金星監視カメラによる画像解析により行われました。ロシア人のエヴゲーニー・シャリギン氏が率いる研究チーム はまず、画像解析から4つの周囲とはことなる浮遊物の明るさを測定しました。その結果、浮遊物が周囲の大気温度よりも高いことがわかったとしています。

具体的には平均気温は426~467度に比べ見つかった4つの浮遊物の温度は526~826度と明らかに異なっていました。これら浮遊物は金星で最高峰というマート山の周辺に浮かんでいるといいます。これまでマート山が噴火したのは今から1000~2000年前と考えられており、浮遊物の関係から何れもごく最近に噴火したという証明になりました。

金星地表面
▲旧ソ連ベネラ13号(1981年)によって撮影されたこの金星表面の画像

金星の地表面の平均寿命は3億年~5億年とされ地球よりも頻繁に『更新』されることがわかっています。しかし、地球のようなプレートの動きはないと考えられており、何れも火山活動により地表面が入れ替わっています。しかし、噴火のような直接的な火山活動は発見されておらず、研究者は金星のどこかに今も活火山があるのではないかと予想していました。

太陽系で現在も火山活動がある天体は限られており地球と木星の衛星イオ、そして今回の発見で金星となりました。

参考:The Voice of Russia